『花蓮の夏』(2006年/台湾/96分)【監督】レスト・チェン【キャスト】レイ・チャン,ジョセフ・チャン,ケイト・ヤン
台湾ニューシネマという映像美を感じる作品。LGBTQにこだわらなくてもいい青春映画。三角関係で友情か彼女かというテーマは夏目漱石『こころ』でも描かれていることだし。今だと女性はもっともの的な扱いなんだろうけど、ここの彼女は積極的。『突然炎のごとく』のような三角関係か?
男の中に女性性もあり、女の中にも男性性がある。その部分に惹かれていくのは男女というカテゴリーではないのだと思う。そこにショウヘンのどっちつかずの煮えきれなさがあるのだが、それはまだ青春という大人の打算がないからだろう。こういう同性愛展開だと流されるのは女の子の方なのだが、彼女の中にある男性性が魅力なんだと思う。
結局、通過儀礼として別れ別れになるか、一人が犠牲にならなければならないのだ。日本だったら誰か死んでいるだろうか?
刹那い青春映画の傑作の一つだと思う。