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ウィーンで出会い別れた半夏かな

Clifford Jordan (クリフォード・ジョーダン)『 In The World 』Strata-East1969年録音/Clifford Jordan (ts)/Julian Priester (tb)/Don Cherry, Kenny Dorham (tp)/Wynton Kelly (p)/Richard Davis,Wilbur Ware (b)/Albert Heath, Roy Haynes, Ed Blackwell (ds)

01. VIENNA
02. DOUG'S PRELUDE
03. OUAGOUDOUGOU
04. 872

このアルバムこそ幻の名盤と言われ、かつてジャズ喫茶だけしか聴けなかったアルバムであります。それはStrata-Eastという弱小のわずか数枚のアルバムを出しただけで潰れてしまったレーベルで国内盤が出たのだがすぐに廃盤となり出回ることが少なかったのです。まあ大抵の有名どころのジャズ喫茶は置いてあったと思います。私がバイトしていたジャズ喫茶にはなかったけど。

それで親友のHからこのアルバムを教えてもらい神保町『響』で繰り返しリクエストをして聴いていたアルバムで想い出深いです。そんなある日近くの中古レコード屋にこのアルバムがあったのです。我が手に入ったアルバムだけどあまり聴くことはなかったのは、貧弱なオーディオではこの重厚な音の厚さを出すのが不可能だったからかもしれないです。とにかく凄い、ツイン・ドラムは今では珍しくないかもしれないが、この二人のドラム合戦も凄い。さらにツイン・ベース。そしてコンテンポラリー・ジャズの面々とフリー・ジャズの面々が共演しているのも凄いのです。凄いしか言えないのですが。

クリフォード・ジョーダンのリーダー・アルバムはいまいちぱっとしないものが多いのですが、この「ドルフィーシリーズ」と銘打たれたアルバムは盟友エリック・ドルフィーに捧げられたアルバムで、彼のソロもミンガスのヨーロッパ・ライブやタウンホールでのライブでのエリック・ドルフィーとの共演を彷彿させるものです。ヨーロッパライブでのエリック・ドルフィーとの共演、そして盟友ドルフィーとのヨーロッパでの別れと死があるのです。

「VIENNA」はウィーンのことですけど、とくにこの演奏が素晴らしい。このアルバムが最後となるピアノのウィントン・ケリーの鬼気迫る演奏。ウィントン・ケリーのこんな演奏はありません。そして、ドン・チェリーの雄叫び。ツイン・ベースのベース合戦。このときはドラムはAlbert Heath一人ですね。

「OUAGOUDOUGOU」でツイン・ドラムのドラム合戦が聴けます。

CDを見つけたら絶対買っておいて損はないアルバムです。値上がり必死。

(ジャズ再入門vol.26)


(ジャズ再入門vol.33)


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