投稿に知っている人が特選だったので驚いた
『短歌 2022年12月号』
まだ作品を読んでも解説がないとよくわからないのでした。実作特集も自選するほど短歌を作ってないし、ラスト・ソングもそれほど興味なかった。
【連載】挽歌の華…道浦母子都
森岡貞香は葛原妙子の本を読んだときに、影響を与えた歌人として出てきたので興味を引いた。
夜は何か嫌な蛾だったのに朝になると花の形に開いているという。蛾という概念(想念)の変化に何があったのだろうか?考えてしまう。蛾のか弱さと美しさと。
「乳房」という短歌は中城ふみ子『乳房喪失』を連想するが題名が『珊瑚數珠』とあることから法事だと思うと胸にぐっとくるものがあるような。挽歌だろうか?
前登志夫もモダニズム特集で出てきた歌人だったような。
女性歌人に手紙を出しまくっていたというエピソードが面白い。光源氏か?釋迢空の影響も感じられる。
葛原妙子の「黒峠とふ峠ありにし あるひは日本の地圖にはあらぬ」を連想するな。相聞と言ってもいいような。
吉野は桜だよなと思いながら、「花影の水に研ぐ」という幻夢界が広がっていくのに朝になると斧(薪割りとか)で目覚める?
かなしみの歌びとたち…坂井修一
第三十六回 「宮柊二の異形」
告白と藝術と所詮ちがふこと苦しみてロダンは「面」を發見せり 『小紺珠』
リルケがロダンの彫刻について彫刻の(表)面に現れる光と物の出会いを、俳句の内面(告白)と芸術(社会)的関係について面として短歌によって確率すること。心の中を掘り下げて社会(世界)を探究することによって異形の面を明らかにすること。
現実世界のリアリズムの世界を見つめながら、ガリヴァや象や駱駝の異形な姿を現してくる。
【歌壇時評】山下雅人
「この世の重力に抗って短歌は「舞い」「推す」」山下雅人
馬場あき子の短歌に現れる能面の異形性は「推し」の短歌とは感情的に違うのではないか?それは「推し」が世代の共感性を求めていくあり方に対して、橋姫のような鬼を「舞う」異形という憑依として浮上する世界との抗いが韻律の(序破急)をつくっていく。
【投稿】
角川歌短の投稿は専門誌だから敷居が高いように思えるのだが読書メーターのコミュニティーの主であるだいだいさんが特選だった。角川の『短歌』って伝統短歌だけかと思ったらそうでもないようだ。