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短歌レッスン77


大島史洋『斎藤茂吉の百首』

「萱ざう」は「萱草」そこが理解できれば難しい歌ではない。むしろ単純すぎないか?ただ「萌」を使ったのは現在でも通用するな。茂吉が最初に使ったわけでもないのだが、「萌」の歌は茂吉が始めてかもしれない。小さな植物萌えは理解できるな。「萌」は花ではなく、芽吹く姿なのだそうだ。春の「萌」とか言うとちょっとエロチックかもしれない。危ない世界だ。
 「萱草」は「忘れ草」とも呼ばれ、その若芽は平安時代は鬱を忘れる薬草として精神安定剤的に用いられたと。

「うたの日」お題

「落書き」「北」「タイミング」「GUCCI」「中二病」「渦」「ずっと」「扉」「螺旋」。すでに「落書き」は終わっていた。この中で選ぶとすれば「中二病」かな。投稿しても評価されないのはわかっているから、自分の好きなお題で勝手に作るしかない。「GUCCI」はまずないな。「タイミング」はちょっと惹かれる。「中二病」は染まりすぎるかも。「渦」はいいな。「扉」とか。今日は仮想空間をテーマに作りたいのだった。

「アバターと生きるこの世界」

興味深い内容。うたというのももともとは形代をあの世(川や海、燈籠流し)に流すことが呪術の始まりではないかと思う。人形はひとがたという呪術が始まりで、形代は人の身代わりとなって悪霊を付かせる。それは本来黄泉の国に流すものだったが、仮想空間こそは黄泉の国になって、そうした本来なら消えて行く形代が跋扈する場所になっている。

【聴き逃し】こころをよむ 人形と人間のあいだ「アバターと生きるこの世界」 12月11日(日)午前6:45放送 #radiru https://www2.nhk.or.jp/radio/pg/sharer.cgi?p=0960_01_3827853

NHKラジオ「聴き逃し」

インターネットの世界は、本来なら非現実なものだけどそれを現実世界と混乱してしまう。まあ、通路ではあるのだけど、あくまでも仮想空間という黄泉の国であるわけだ。

例えば今ここに書いている言葉も本来は仮想空間なわけで、言霊というのはそういうことなのだと思う。うたはだから本来はフィクション(仮想空間)のものでその通路として人とのやり取りがあるわけだが、そこで解消されなければならない。それを成就というのだが、成就ならざる言葉は呪いの言葉としてつきまとう。だから言葉は怖ろしいものでもあるわけだ。

模範10首

今日は気分転換して、雑誌『短歌 2022年8月号』から「流行る歌、残る歌」の俵万智選10首。

進化論は地球でいちばん大きな樹その枝先に今日も目覚める  笹本碧
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい  笹井宏之
牛丼屋頑張っているきみがいてきみの頑張り時給以上だ  萩原慎一郎
まとめるのうまいですねと褒められてまとめてしまってごめんと思う  近江瞬
時に応じて断ちおとされるパンの耳沖縄という耳の焦げ色  松村由利子
白きマスク、白きブラウスのアグネスはカメラ越しに見つわれの自由を  大口玲子
harassとは猟犬をけしかける声 その鹿がつかれはてて死ぬまで  川野芽生
むらさきの性もてあます僕だから次は蝸牛(くわぎう)として生まれたい  小佐野弾
なんとなく次が最後の一枚のティッシュが箱の口から出ている  穂村弘
告白は二択を迫ることじゃなく我は一択だと告げること  関根裕治

『短歌 2022年8月号』

進化論は、優生思想に繋がるからあまり好きではないのだ。樹木に喩えるのもドゥルーズによるとツリー形式の系譜というのはヨーロッパ思想の中心があり枝葉が広がってゆくというので歓迎されない。すでにリゾームを知ってしまったからそういう世界の憧れがあるのだと思う。ツリー状の系譜はアポロンなんだよな(それがポジティブ短歌を歌えないことなのかもしれない)。
笹井宏之のあまりにも有名な歌。その音韻の魅力なのだろうか?やっぱ下の句の「永遠解く力を下さい」の問いを立てる者でないと駄目な気がする。
「牛丼屋」のうたも低賃金を肯定してもなにもならなんで、そういう歌の存在だけでいつまでもこの世界を続けてしまう。永遠の日常性というか、非日常世界なんだと気づくべきなのだ。
近江瞬の歌も謝っているようでいて、本当は謝っていないポーズだけなんだと思う。まとめてしまう同調圧力みたいなものを感じるわけですよ。
これも本土の人間の歌でポーズだけのような気がする。だってパンの耳を切り落とすのは、セレブがしそうなことだし、パンの耳を食べる生活者にはなんも響いてこない。
 でも沖縄に移住している人なのか。沖縄在住の人が先日の映画で言ってたけど反対するのは本土の人なのだが、それは沖縄の問題ではなく本土の問題であるという意識が低いと言っていた。つまり沖縄の基地問題が生活と密着しているのは、50年前から何も変わっていない。それは本土で問題を解決しようとしないで、沖縄に解決を求める問題でもないのだ。
この「アグネス」は香港民主化の「アグネス」だと思うが、最初にイメージしてしまうのは「アグネス・チャン」だ。それが、もやもや感を増すのは、今現在香港の民主化は某棄却しつつある。つまり香港の民主化にしても、根本的なことを歌っているわけではなく、ポーズだけなんだと思ってしまう。踊らされすぎ。例えば「アグネス」が逮捕された後にどういう歌をうたっているのかという、そっちの方が気になる。
もう「harass」で敬遠してしまう。なんで「ハラス」じゃいけないのかな。その意味が掴めない。「猟犬」と「鹿」の譬えもクロソウスキーの神話をイメージしてしまって、逆効果だと思うのだが。
蝸牛(くわぎう)と読ませるのがわからん。「かぎゅう」だと耳の内耳機関だとあるのだが、そういうことも意味しているんだろうな。むらさきの性がよくわからんし、光源氏かと思ってしまった。
穂村弘の短歌は否定したくないが、俵万智がこれを選ぶのがもうなんだか?これじゃないだろう。単なる日常歌でだから何?の世界なんだよな。
もう俵万智の短歌一択しかないような気分にさせらる。

「うたの日」お題

「落書き」「北」「タイミング」「GUCCI」「中二病」「渦」「ずっと」「扉」「螺旋」。すでに「落書き」は終わっていた。この中で選ぶとすれば「中二病」かな。投稿しても評価されないのはわかっているから、自分の好きなお題で勝手に作るしかない。「GUCCI」はまずないな。「タイミング」はちょっと惹かれる。「中二病」は染まりすぎるかも。「渦」はいいな。「扉」とか。今日は仮想空間をテーマに作りたいのだった。

赤本の隅に落書きされたまま解けずに春を待つ雪だるま
『 落書き 』 ナカムラロボ #うたの日 #tanka http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=3178i&id=25

うたの日

春は強いよな。「雪だるま」がポイント高い。

「渦」
形代に、うたを書きつけ流す海。渦巻かれ、咲く。仮想の花よ。

これを投稿予定にして昼飯。「形代」が固いような。うで始まる言葉がいいよな。

「うたの日」に、うたを書きつけ流す海。渦巻かれ、咲く。仮想の花よ。

「扉」も考えよう。
ヴァーチャルの扉を開けてアバターに言霊はどこまでのこっていくのか

「扉」
アバターは、扉を開けて亜空間。さまようことば。ゴースト・タウン

午後から寝入ってしまい「渦」は投稿出来なかった。「扉」をなんとか完成させなければならないのだろう。「扉」だとイメージが一緒だから飛躍が難しい。「パンドラの箱」は誰もが思うだろう。「希望」が残るのか?絶望しかないような。絶望の中の希望とは?

アバターは、うたの扉を開け亜空間。さまようことばゴーストタウン。

これを逆にすればいいんだな。

扉開けうたの亡霊亜空間言霊は見る絶望しかと

駄目だ。絶望しか残らないのはわかっているがそれが夢か。

扉開けうたの亡霊亜空間絶望というエルピスの夢

この線しかないのだけどもっと具体的に。

希望はエルピスという解釈なんだな。エルピスという夢の扉よ

仲井戸麗市の『レイン』のエンディングテーマ。

うたというエルピスの夢扉開け絶望なのか希望の中か

『エルピス』見るか。

エルピスをみた君はカルピス飲みたいという後味

エルピスという僕のコトバをカルピスと思った君の後味の悪さ

時間切れの不投稿でした。スランプだろうか?

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