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短歌レッスン80
写真が無かったので、みんなのフォトから借りる。やっぱシャープさが違うな。
今日は最初にミシェル・クオ『パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会』の簡単な詩の作り方教室から。参考になると思う。
I am(私は~だ)
I feet(私は~と感じる)
I wonder(私は~だろうかと思う)
I hear(私には~が聞こえる)
I see (私には~が見える)
I understand(私は~がわかっている)
I say(私は~と言う)
I dream(私は~を夢見る)
I try(私は~をしてみる)
I hope(私は~であってほしい)
I want(私は~をしたい)
I pretend(私は~のふりをする)
I cry(私は~で泣く)
~の部分に自分の言葉を当てはめる。短歌では全部入れるのは無理だけど連作にするとか練習でひとつづやってみるとか。全部やって詩にしてもいいと思う。このままでは翻訳調になるが。勿論英語で詩を書くのはベストなんだろうけど。先生のアドバイスとしては綴(つづり)は気にしない。自分の周りの世界を描いてみる。批評はしない。
茂吉短歌
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短歌だから説明的な言葉を省略するのだが、この歌は精神病院の患者を運び出していたようである。その時のスナップショット的な。この歌から茂吉の深い悲しみが込められているとするのだが、どうだろう?
模範十首
今日は福島泰樹『中也断唱』の戻るが、物語ではなく中也の詩を短歌にしたもの。「中也断唱Ⅱ」から。
「春の日の夕暮」
せめて馬嘶(いなな)いてくれ春の日の夕暮太朗のマント悲しも
「月」
宵の月けむりのように愁(かな)しくば煙草をわれは差し出しておる
ああ時は戦車のごとき轟きを胸中ふかく残し過ぎゆく
「サーカス」
とうに忘れた顔もいくつかあらわれて今夜此処での一と盛りかな
幾時代かやはや十年も昏れ泥(なず)み咽喉が鳴るよゆやゆよん
きなり十年、そして十年ゆやゆよん咽喉(のみど)のほかに鳴るものも無き
戦争も疾風にしかすぎざれば吹き曝されてサーカスを待つ
いまは冬、サーカス小屋のブランコも取り払われて儚(くら)きわが胸
悔恨は開け放たれた戸口から風とやなりて吹き込んでいた
「春の夜」
春の夜は寂しき極みわがむねの闇のピアノが鳴りいづるとも
バッハ作曲パッサカリアはハ短調 もうすぐだよないかにみちこよ
「春の日の夕暮」はトタンが風で音を立てている詩。中也の詩のほうが面白いかな。トタンが「夕暮太朗のマント」になったのか。
「月」はそのまま詩の言葉を引用していた。
「サーカス」の「一と盛り」は薬でもやっているのか?そんな酩酊感。
「ゆやゆよん」も置き換え不可能な中也の言葉。
「咽喉(のみど)」は平安時代の言葉、のみど→のどに変化した。「のみど」は「飲む」の意味も含んでいるのか。
「戦争」よりも「サーカス」。
長谷川泰子の日々が「サーカス」だったのか。
中也の詩から短歌だとどうしても詩の優位性が目立つ。短歌にしてもありきたりな短歌のような気がする(それはそれでいいのかもしれないが)。
「うたの日」お題
「サザンカ」「アロエ」「ヤツデ」「ヒイラギ」「ビワ」「シクラメン」「パンジー」
今日は全部植物だった。「サザンカ」をやりたかったが終わっている。できるとしたら「ビワ」かな。「琵琶法師」があるからな。
琵琶法師、令和の怨霊歌えるか?まったき退屈な歌ばかり溢れて
このパターンだな。ボーカロイド、ボカロを対比させ
琵琶法師、令和の怨霊歌えるか?ボカロの心踊るポンポコリン
この線なんだけど。ボカロを先に持ってくるか?
街中は、ボカロ溢れる。クリスマス 路上の法師、琵琶掻き鳴らす
句読点が難しい。
街中は、ボカロ溢れるクリスマス。路上の法師、琵琶かき鳴らす。
これでいいか。出掛ける時間まで(10時)推敲。ボカロはボカロ・ファンの反感を買うな。あとクオの例題だと「I hear(私には~が聞こえる)」の形。
街中は、歌なきボカロ。 きみは聴く、琵琶かき鳴らす 路上の法師
結果
街中は声なきボカロ きみは聴く、路上の法師 琵琶かき鳴らす
『 ビワ 』 やどかり #うたの日 #tanka http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=3181d&id=11
❤一つ貰えました。でも今読むとぶつ切りだったな。
街中は声なきボカロ きみは聴く、琵琶かき鳴らす路上の法師