戦争が廊下の奥にたつてゐた
『渡邊白泉の一〇〇句を読む』川名大
「シン・俳句レッスン」で読み続けてきた白泉は今までになく衝撃を与えられて俳人だった。
これも図書館本なので返却期限が来たので感想を。「京大俳句弾圧事件」で勾留され、それ以後は俳壇から消えて行った白泉だが、死ぬまで俳句は作り続けていた。死後にその全貌が明らかになり、近年再評価された俳人である。
白泉の死後に全句集が出て一部の俳人から注目されて、新興俳句の弟子であった三橋敏雄の尽力によって再評価された新興俳句の雄だ。
白泉のもっとも有名な句「戦争が廊下の奥にたつてゐた」は今でも通用する新興俳句となっている。
川西大は『現代俳句』で書ききれなかった白泉の句について100句を取り上げて、若き日の改革者から戦時の弾圧、そしてそれ以後も俳句を作り続けた彼の生涯を明らかにしていく。
なお「京大俳句弾圧事件」で弾圧された俳人は他にもいるということなので彼等の再評価を望まずにはいられない。その先陣を切ったのが白泉なのである。
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