見出し画像

相方観察(その1)それ心配じゃなく唯の不安ですぜ親御さん

(これまでのあらすじ)
あれはダメ、これやりなさい、
口出しまくる親に育てられた「良い子アンドロイド」
それが出会った頃の相方だった。
その後、様々な職業を体験してみるが、どこでも似たり寄ったりな落とし穴にはまり、ついに希死願望発動で鬱退職。
とにかくあるがままにしてろ!と命令しなければならないほどのあーでもないこーでもない期間を経て、ついに「やりたい事」を発見。
ようやく「やりたい事をバリバリやれる」ようになり、SNSで発信を始め、それが書籍出版にも繋がり、そして、ついに、期待以上の企業からお声掛けが――

おおおおおお・・・!!!
と、いわんばかりの驚きと喜びに満ちた表情。
はたで見るこっちにもビリビリくる興奮。
これが、
仮採用となり、
試用期間へ突入第一弾として来た「課題」、その内容を見た直後の相方の姿です。

ね、
自分に合った仕事と出会った人は
こんな風なんだよ。
と、
過去のこやつに見せてやりたい言ってやりたい。
はふう。

K. Mitch Hodge

今回の企業からオファーが来た時、
私は「ついにこの日がやってきた!」と喜んだのですが、
相方はむしろビビリ恐がり怖じけまくり。

なんでやねん

疑問に思って聞いてみると、
自分はきちんとできないやつだから
きちんとしたところに行ってはいけない
という「禁止事項」が頭の中にあるという。

なんじゃそりゃ?!
きちんとできない人間ほど、きちんとしたところできちんと育ててもらわにゃ!
私がそう言った時の相方の、
ぽかん
とした表情が印象的でした。

というかおまいさん、
きちんとしすぎとるぐらい几帳面じゃろうが
完璧主義すぎるぐらいじゃろうが
そんなんだからこれまで頼られすぎになったあげく自分から潰れてきたんじゃろうが。
はふうう。

・・・親御さん
自分の子を心配しちまう気持ちはわからんでもないけど、
「お前それで大丈夫なのか?」
と、ぶち落としたままほったらかしはアカン。
こんな「自分は大丈夫じゃない人間なんだ」なんて思い込みで人生ぺしゃんこになってまう。

「心配」は、
気になる問題が起きないよう心を配ってこそ。
問題を気にするばかりで何もしないのは
ただ不安がってるだけ。

とはいえ

実はその「不安」の正体、
トラウマ反応だってんだから問題の根は深い。

原爆攻撃後の広島

相方の親は戦前生まれと戦後すぐ生まれ
私の親は両人とも戦中生まれ
全員が同様な「不安」を抱えていて、
ちょっとしたことでカッとなる
ちょっとの不安でもう逃げる
はっきり言って、
被虐児の示す言動まんま。
戦争なんて大人でもトラウマできるってのに、幼少期どっぷり社会中が不安まみれだったわけですから・・・

うむ、
「戦争」って「国家ぐるみの国民虐待」
なんだな。

第二次大戦で本土を戦場にしてしまった日本、大量の被虐児を生み出しちゃった。
のに、
何の対処もされなかった。
結果、
本来なら心の治療を受けなきゃならない人々が大量にあふれたままさらに次世代を生み育てちゃってるってのに自己責任とか根性論とかでなんとかスルーで済ませたい(なぜなら治療を与える側に立つべき人々も似たり寄ったりだから)
なんて社会状況が、
現在、
実現してしまっているわけです。

「もはや戦後ではない」
どころか
ただいま戦争後遺症真っ最中。

(とあるデータ見てて、
DV問題に苦しむ国ってどれも第二次大戦に参戦してる
って気付いた時にゃ戦慄しました。)

てなわけで・・・

様々な形で「不安」が蔓延してる現在ニッポン。
実は、
その「不安」の実体って
もう存在しないという!

Does Not Exist

ところが
人間は考えちゃう生き物。
もはや無根拠な「不安」なんだけど、だからこそ、
目の前のなんやかんやを使ってその「不安」に説明を付け
その説明を信じ込んでしまう。

というわけで!
私が相方の「不安」をなんとかできるまでに、
なんと30年ちょいかかりました!
(いやもう自分内の「不安」を客観化するだけでも大変な上、
なんせ歴史的熟成が効いた「不安」だもんで!)

そして、ようやく、この日が来た、と。

もちろん、
これで終わり
じゃなく、
これからこそが正念場!
なわけですが。


(※この記事は、相方当人の了承を得て書かれております。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?