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【長崎】利華園の肉まん
長崎が好きだ。
仕事柄でも、都会に出なかった僻みからでもなく、長崎が好きだ。人はやさしくて、おいしいものがたくさんある。四季折々の景色も綺麗だ。
最近は友人が他県に出て行ったり、私が他県を旅して知り合ったり、長崎県外に住む友達が増えた。
私も会いに行くけれど、みんなにも長崎に会いに来て欲しい。
私自身が来る理由になりたいけれど、そこに少しでも拍車がかかるように。
ここにたくさん長崎のすてきなところ、おいしいものを書いていきたい。
「利華園の肉まん」
眼鏡橋から歩いて少し。間口の小さい黄色いお店がひょっこり現れる。
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鮮やかなピンクの看板には、ふてぶてしい白黒の生き物。ほれ、やっぱ中華はパンダなんやろ、と言わんばかりに胡散臭く笑っている。
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そいつの招き猫のようなポーズに誘われて近づくと、山積みにされた真っ赤な実が目に入る。乾燥したナツメだ。
それから店主がユーチューブを観ながらすごい早さで捏ねている餃子。
ふと見上げると窓には美人なおねえさんがチャイナドレスで肉まんとか商品を持っている写真。あきらかにおねえさんがメインの写真だ。申し訳程度に下に商品名が書いてある。
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ここらですこし中華に詳しいと自信のある方はわかるだろう。このお店、できる、と。
漫画とかに出てくる作務衣を着たその道のおじさんが「良い……」って言った後に静かにこっくり頷くやつ。
まぁとにかく、とりあえず肉まんを食べて欲しい。
店主にすぐ食べるかと聞かれるから、食べるとこっくり頷くのだ。そしたら紙に包んでホイと渡してくれる。
すこし小ぶりの、ふかふかの肉まん。うっすら中身のシルエットが浮かんでて、生地が肉汁を吸っている。
それに置いてある酢醤油をちょいとかけましょう。
パンダと写真を、なんて撮ってしまうけど、一度食べたことある人はそんなことしない。
このパンダと目が合った時点で口のなかはソレになっている。写真を撮る余裕なんてない。はやく、早くあのスパイスを味あわせてくれと震えてしまう。小さな肉まんに大胆に、でももったいなくて控えめに囓りつく。
薄めの生地に包まれた肉がほんとうにおいしい。他にないスパイスの効かせ方をしていて、一気に鼻腔が中国に連れて行かれる。できる限り香りを楽しみたくて、咀嚼しながら鼻を膨らませてしまう。ひとくち、もうひとくちとそのスパイスに誘われて食べすすめ、気づくともう肉まんはなくなっているのだ。
実家に持ち帰ったとき、母はこのスパイスを五香粉と言っていた。いろんな人に美味しいから食べてくれと懇願してきたけれど、苦手という人は意外と少なかった。
でも、今まで食べたことない香り。
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観光客のかたは是非肉まんを。
奇遇にもこの文を読んで下さった近隣住民は焼餃子と水餃子も食べて欲しい。エンドレススパイス。ビールが進んで仕方が無い。
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…やっぱり観光客のかたも、出来たらホテルに持ち帰って、コンビニでビールも買って帰って欲しい。ビールはあったほうがいい。
買って帰らなかったら、体が勝手に割高なホテルの冷蔵庫のビールをプシュッと開けてしまう。(ちなみに私は下戸なのでノンアルビールをキメている。)
観光地からすぐ。立地も最高。長崎の旅は是非ここから始めてみてはいかがだろうか。
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