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新作落語台本に必要なたった二つの法則
まるで有料記事のような大仰なタイトルですがご安心下さい。無料で読めます。今年もまた落語協会の新作落語台本募集に落ちた私ですが、四年間くらい台本を書いてきて、どういうものを書けば正解なのか、段々とわかってきました。わかってきたけど、難しい。本日はそれをお伝えします。
落語台本も、書いて・失敗して・気付いて・反省しなければ書き手として成長しません(天才は別ですが)。なので、私が四年くらいかけて学んだことをお伝えすれば、一年くらいは新規参入の方の時間を短縮できるのではと思います。スケールの小さい話ですが現代はタイパが大事ですので。
では勿体ぶらずにお伝えしましょう。
新作落語台本に必要なたった二つの法則、その一つ目は…。
みんなが笑えるもの
これを書けば良いのです。いや、物を投げないで下さい。落ち着いて下さい。実際にこれが大事なことなのです。なにしろ落語は大勢のお客さん全員を笑わせることを目指しているのです。自分だけが笑えるものとか、わかる人にだけわかるものでは、駄目なのです。
純文学作品とかなら、自分のためだけにとか、あるいは1000人中の1人に向けて書くのもアリだと思います。けど、落語は演芸なので、その場のお客さん全員がわかって全員が笑えるものを目指さないといけない。このことが、意外と台本を志した初期には理解できてなかったりします。
そうか、じゃあ皆が笑えるような「最大公約数的な」噺を書けば良いのだな…と思う人がいるかもしれませんが、実はそれは違うんですね。ここで新作落語台本に必要な二つ目の法則を組み合わせる必要があるのです。
どんなものを書けばいいのか、その結論は…。
みんなが笑えて
かつ、新しいもの
これが必要なんですよね。同じような噺は二つもいらないわけです。現在高座でかけられている古典落語は300~400と言われますが、どれかに似たものは「噺がつく」と言われてタブーになるわけです。
とても面白いストーリーや趣向を考えたとしても、それが既に古典あるいは既存の新作で使われていたら、もう「必要ない」ものなのです。だから改作やパロディは台本募集で禁止にされているのですね。
みんなが笑えて、かつ新しいもの。
どうですか?メチャクチャ難しいでしょう!それに気付いたからって簡単に書けるもんじゃないです。むしろ気付いたからこそ筆が止まってしまいそうな難問です。けど、ここからが台本書きとしてのスタートなんでしょうねきっと。
そういうわけで、これから落語台本を書いてみたい人に向けての記事でございました。既に書いている方には「何を今さら」なんですが、再確認ということで。苦しんで苦しんで、頑張りましょう(^_^;)
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