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36名死亡。史上最悪の放火殺人事件【随筆】津堅信之『京アニ事件』を読んで。

あの、忌まわしい事件から4年。
先日、ニュースを見た。それで思い出したわけじゃないが、でも、どうしたって風化してしまうことがある。
……風化?
それは違う。
そんなつもりはない。ただ、僕たちは忘れる生き物だし、目まぐるしく変化する世の中。この4年で起きた災害、凄惨な事件・事故によって、どうしたって過去になった、あの事件。だけどいい機会だった。本書に出会った。僕は今一度、「京アニ事件」を思い出す。史上最悪の放火殺人事件、決して忘れてはいけない。
事件があらわにしたこと、また事件をいかにして記録するか、それを確認し、ひとつの教訓にしなければならない。はずだ。私たちは、生きている。命ある私たちが、なすべきことの責務に他ならない、ではないだろうか。

これ、2020年の本 ↓

2019年7月18日――。
日本を代表するアニメ制作会社である、「京都アニメーション」のスタジオに火が放たれた。結果的に36名が死亡するという、史上最悪の放火殺人事件となった「京アニ事件」。この事件があらわにしたことは何だったのか。

アニメ史を専門とする研究者が、独自の視点から事件の深層を読み解く。

概要はこれ ↑
表紙裏に書いてあった。

正直に言う。
4年という月日がそうさせたのじゃない。僕は「京アニ事件」を、その背景をよく知らない。ただ、あの時、あの事件の後、テレビから垂れ流れるマスコミュニケーションが伝えた、正確性を欠いた、上っ面だけの情報でしか、僕は知らない。僕だけじゃないはずだ。

筆者、津堅信之はアニメの専門家だ。彼は、本書の中で語っていた。事件を知って、言葉が出なかった。誰もが知る、あの、京都アニメーションが、

彼は驚いた。世間は、それほど「京アニ」を知らなかった。少しオタクな僕で、聞いたことがあるくらいだった。

世間は、「京アニ」のことを、ほとんどの方が、その存在を知らなかったのだ。彼は事件のこともそうだが、なにより多くの方に「京アニ」の素晴らしさを伝えたかった。その上で、あの事件のことは語られるべきだ。そう思った。だがしかし、そうではなかった。あくまで上っ面だけだった……

マスコミは、まあ、昨今の、テロでもそうだから、反省はないが、犯人に、またその動機に、物語性を求めた。

あの頃の僕たちは、それを、テレビで否応なしに刷り込まれるように見た。もはや洗脳に近いのかもしれない。

凄惨な事件だった。史上最悪の放火殺人事件だった。それは、分かる。だがしかし、あれを、ひとつのテロと報じるところもあった(悲しくも1年前、ここ日本で、ほんとうにテロは起きた)。

まってくれ、あれはテロか?

いつの間にか、この事件の主役は、その放火した犯人になっていた。それには訳があった。彼が叫んだからだ。その真偽は定かじゃない、はずなのに。

あなたは、覚えていますか?

彼が、なんと叫んだと報道されたのか?
※ここじゃ書かない。僕まで彼の話をしたらバカみたいだからね。

思い出した。この事件の少し前、「川崎殺傷事件」があった。ああ、あの時もそうだった。

物語性だ。
物書きだから、この現象は、完全に否定はできない。だけど、違う。まあ、あれは、テロじゃない。ただ、凄惨な事件だ。京アニ事件と同様だよ。

この頃のマスコミは、そこまで酷くなかったかもしれない。だけど、いつものとおり、犯人の生い立ちは、連日ワイドショーでもやっていたと思う。

直近で言えば、ジョーカー事件もそうだろうか。あれ、判決が出たね。

僕が言いたいこと、分かるかな。
そんなものね、くそくらえだよ。


本書に入る前に、徒然なるままに書いた。これは、あくまで僕の言葉だ。気を悪くしたなら、ごめん。言葉選びが下手なんだ。少し口が悪くなる。本書には、こんなことは書いていない。気がつけば、僕の指が、勝手に動いた。

とにかく、
「京アニ事件」について、僕は本書を読んで、見方が変わったね。いつもみたいに、いい本だった。とか、そういう話じゃない。だけど、読んでよかった。という話がいいたいだけ。

一応、これだけ丁寧に書いてあるけど、この本では、こう書いてあった。と解釈すべきだ。まあ、いつだってそうだ。情報の真偽は自分で判断するべきだね。流されるな、自分。

また口が悪くなるが、コメンテーターなんて、なんもすごくない。遠い親戚のオジサンとかオバサンが好き勝手喋っている。そう思うくらいが丁度いい。でも、信者じゃないが、信頼できる人がいると、いいよ。でも、そんな人だっていつもいつも正しいなんて鵜呑みしないことだね。

もちろん、テレビと週刊誌ね。ポピュリズムじゃないが、アホみたいに踊らされないようにね。

なんだ、この提言ww

導入が長ーくなったので、
本書の話はちょっとだけにする。こういう本は、あまり断片的に他人が語らない方がいい。興味があれば、ちゃんと、一からじっくり読んだ方がいい。

新書の読書時間は記録していない。スキマ時間で読んだ。たぶん2時間とかで読み終わると思う。そんなにかからないかも。

本書の構成はこうだ。

第1章 メディアは事件をいかに報じたか
第2章 事件による被害状況
第3章 「独立国」としての京都アニメーション
第4章 事件があらわにしたこと
第5章 事件をいかに記録するか

と、こんな感じで、事件の振り返りと、そもそも「京アニ」とはいったいなんだ、と語られている。犯人のことも書いてあるが、僕の印象では、こんなに素晴らしい「京アニ」が

なんと残念な、

また、マスコミュニケーションくそったれ!
という筆者の思いがにじみ出ているように、僕は感じた。

不適切かもしれないが、耳目を集めればどうでもいい、真実?
なにそれ、
被害者ご遺族の気持ち?
なにそれ、
数字取れればいい。週刊誌が売れればいい。

アニメのことも何も分かっていないくせに、黙れマスゴミ。もちろん、彼も全ての報道機関がそうだったとは言っていない。だが、大半だ。

にしても、2次災害だよ、それ。しかも、人的のな。

本書から抜粋する。

報道の自由というけれど、「自由」になれていないのは報道機関側なのではないか、私は率直にそう感じだ。
(中略)
自由とは無限大という意味では決してなく、何らかの枠組み、制約があるからこそ「自由」という概念が成り立つ。私のような研究者の立場からすれば、枠組みという「線」を引くときに、最も緊張する。それは、報道機関に所属するジャーナリストであっても、同じだと思う。

津堅信之「京アニ事件」から抜粋


なかなかシビレタね。


これはね、ちゃんとファンの方が記事にすればいいと思うんだけど、でも、僕はささやかだけど、「京アニ」の話をして、終わろう。
たぶん、いいや絶対、「京アニ」はいい会社だ。そのことはよく伝わった。

・京アニの「家族主義」
なんと、激務イメージな業界ですが、「京アニ」は違う。ほんとのところは分からないが、かなり福利厚生が充実しているホワイトだとのこと。女性が多く働いていること、正社員雇用などがあげられる。

・京アニ入社試験の課題
京アニは、「人」を見ている。人間性を何より重視している。なんと、この業界にあって、プロとしての絵を描くテクニックなどは、入社してから教えればいい、そんなスタンス。素晴らしい!!

そしてね、

京アニは、東映動画と虫プロという日本のアニメの双方の伝統を引き継ぎ、それを最高度に昇華させた。
同時に、その活動はアニメ界全体に影響を及ぼし変化させることなく、また変化させようという野心もない。結果として、京アニは1つの家族であり、独立国なのである。

これは、違う業界でもあるね。規模じゃない、唯一無二感。こういうところのファンは強いよね。まさに根強い、そういうタイプな人が多いと思う。


「京アニ」のアニメで1番有名なのは、『涼宮ハルヒの憂鬱』なのかな。僕は観ていないが、もちろん知っているし、あの有名すぎる音楽。いいよね。

「京アニ」は、すばらしいクオリティのアニメを制作する。これは、アニメファンの中では、常識中の常識らしい。


事件から4年。震災と同じだよ、復興する。するさ。人は、強い。前を向いて生きる。

僕も何か、「京アニ」作品のアニメでも観てみようと思った。これで〆る。

(余談)
現在では信じられないことだが、この国にはほんの10~15年前まで、アニメオタクに対する根強い差別と偏見があった。1988年~1898年にかけて起こったM君事件(宮崎勤事件)の社会に対して与えた衝撃が、紆余曲折のうえ、オタク=2次元性愛者、アニメ愛好家、ロリコンなどと変換されていった。

そうだよね、僕もギリギリそういうイメージがあった世代だと思う。でも今こんなイメージの大人いたらヤバいね。固すぎる。アップデートしなくちゃ。パソコンも使えない大人と同じだよね。さすがにそんな奴、ロートルと呼ばざるえないね。

日本アニメは、もうサブカルチャーじゃない。アニメ映画の興行成績を見ればそうだし、ファンは、日本だけじゃない、世界中にいる。とっくのとに、メインカルチャーに他ならない。

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