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青豆の自己満足

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自作のショートショート・短編小説の中で、気に入っているものを纏めます。 他人の評価は関係なく、自己満足のためにここに集めていきます。
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#恋愛小説が好き

掌編小説|アムール・デュ・ショコラ|シロクマ文芸部

 甘いものが流れてきたら、それ食べて帰ろうな。それで、いいよな。  返事はない。今日はず…

青豆ノノ
5日前
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掌編小説|初恋は契りて

✧✧✧   大学に進むために上京して、一年と三ヶ月が経とうとしていた。初めのうちは気の合…

青豆ノノ
4か月前
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創作大賞2024 | ソウアイの星①

 ああ、あの日は。  空はグレーで、体を抜けていく音は澄んでいて。  胸の奥に小さな不安…

青豆ノノ
7か月前
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掌編小説 | 銀ノ月 |#君に届かない

 せっかくの月夜にあなたは来てしまった。女はそう思った。  ひとり静かに湯に浸かり、ガラ…

青豆ノノ
9か月前
86

掌編小説 | 儀礼

※暴力的な表現を含みます。  平日の昼間だ。早朝から江の島観光をした帰り、新宿までの普通…

青豆ノノ
10か月前
94

掌編小説 | リリー

マキは機嫌がいい。それは誰が見ても明らかだった。中途半端に伸びた髪が肩にあたり、はねてい…

青豆ノノ
1年前
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「初恋」 #書き初め20字小説

本当はあの時、息ができなくて少し泣いた。 [完] #書き初め20字小説 (⑉・ ・⑉)

短編小説 | 最後の接吻

最後の接吻をするには、あと3cm、唇を突き出すことが必要だった。もしくは、オオアリクイのよ…

青豆ノノ
1年前
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ぼくらのもの (#シロクマ文芸部)

最後の日だった。久々に訪れた東京で数日をすごしていた僕は、最終日の今日、観光をするでもな…

青豆ノノ
1年前
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中年ラブ・ストーリー(前編)

「あっちゃん。それでどうするの、結局」 三原さんはさっきから私に同じ質問ばかりしている。…

青豆ノノ
1年前
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今日が雨なら (短編小説)

心地良い音量で「レットイットビー」が流れている。だけどこのカフェで流れるレットイットビー…

青豆ノノ
1年前
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逃げる夢 (#シロクマ文芸部)

「逃げる夢を見たって?」 男は、そう言って私と目を合わせようと起き上がろうとする。私は男…

青豆ノノ
1年前
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もしもデザートがティラミスなら (短編小説)

「はぁ?!なんで着払いなの?!」 私の声の大きさに驚いた郵便局員は、持っていた機械を誤操…

青豆ノノ
1年前
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秋を好む人 (シロクマ文芸部)

秋が好き、とは言えなかった。 18年前の日本で、その夏一番の暑さを記録した日に生まれた。 「すごいねぇ」と皆がいう。あの夏は特に暑かったものねぇ。 だから生まれつき暑さに強くて、元気一杯、太陽のような存在だって。そんなわけないだろう。だけどこれは洗脳だから。 『大輝』と名付けられて、親戚中から夏の代名詞みたいに扱われたら、そうやって生きていくしかない。 この恵まれた体格は夏生まれだから、らしい。もし仮に、生まれる数日前から地球の裏側にでも引っ越していたら、今の自分ではなかった