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【心理学者の雑学】不確実なことを心配するというのはどういうことなのか?

強迫症啓発週間にちなみまして、私たちのYouTubeチャンネルでも強迫症についてお話しさせていただきました。

こちらはぱんだ先生のこころメンテ、おかゆちゃんねるさんと一緒にしている企画「こころの雨にも傘をさそう(#こころの雨にも傘をさそう)」という企画で行っています。

今回は、強迫行動を起こしやすい人の特徴として「不確かさ不耐性」についてお話しさせていただきました。ん?なにそれ?って感じですよね。このnoteで補足させていただきます。

不確かさ不耐性とは?

もともとは全般性不安を理解するための概念として見つけられました。全般性不安というのは、特定のものごと(たとえば犬や雷が恐いなど)ではなくいろいろなものごとを不安に感じることです。このいろいろなものごとに不安を感じることに不確かさ不耐性が関連しているといわれてきました。

さて、不確かなことに耐性がないというのはどういうことなのでしょうか?これには以下のようなことがあります。

◇自分が出くわす可能性のあるいろいろな問題について、情報や解決策を探し求め続ける。

◇起こる確率が非常に低くても心配してしまう(例:飛行機事故に遭う、大変な病気の診断がされるなど)。

◇100%の確率でうまくいく完璧な解決策を求めている。

◇他人に「大丈夫」と安心感を求め、医学的な問題についてはセカンドオピニオンを求める。

◇不確実性に対処するために、リストを作ったり、ダブルチェックをしたり、仕事を任せず、過剰な準備をする。

◇不確実であるということは、何か悪いことが起こるということだと考える。

◇自分の人生が不確実であることは、無責任なことであり、危険であると感じる。

◇不確実さを恐れて、新しい状況を避ける。

◇先延ばしにしたり、予測可能な日常生活を送ったり、他人に決断を求めたりする。

◇不確かな状況の結果がわからないことに耐えられないと感じている。

◇結果がわからないままでいるよりも、悪い結果になることが確実にわかっているほうがいいと感じている。

といったことがあります。不確実であり、あいまいな状況に対して不安を感じているので、新しい行動をするのを控えるという傾向にあるようです。

不確かさ不耐性のモデル


カナダのケベック州の研究者たちは1990年代初頭に不確かさ不耐性についてのモデルを開発しました。このモデルでは4つのコンポーネントから構成されています。

不確実性の不寛容 不確実な状況を受け入れることができないというような考え方の傾向を示しています。この傾向が、不安や心配を引き起こす直接の原因と考えられています。

心配をポジティブなものと認識する 「心配することは何らかの形で役に立つ」という信念を持つことです。心配することによって、少しでも確実に近づこうとするための方法です。

問題解決を消極的に感じる 問題解決を無力だと感じたり、問題をこわいものや障害であるとみなしたり、問題解決能力がないと考えたりします。

認知的回避 絶対に必要なときにしか問題に対処せずに、問題解決をさけようとする行動傾向を指します。

とまあそういう傾向のことを不確かさ不耐性といいます。また時間があるときに「不確かさ不耐性」によってどんなデメリットがあるか?「不確かさ不耐性」を改善するトレーニング方法についてご紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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