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コントロールの輪~あなたの困りごとは解決可能か?

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。今日は「コントロールの輪~あなたの困りごとは解決可能か?」というテーマでお話ししていきます。

私たちは日常生活の中で、さまざまな困りごとや悩みに直面します。でも、それら全てを解決しようとすると、かえって疲れてしまうことってありませんか?ここで大切なのは、自分がコントロールできるものとできないものをきちんと見分けることです。この作業を通じて、無駄にエネルギーを消耗することを防ぎ、自分が本当に変えられることに集中できるようになります。

「コントロールの輪」という考え方は、自分の困りごとを整理し、解決に向けた効果的なアプローチを見つけるのに役立つツールです。早速、どういうものなのか見ていきましょう。

まず、コントロールの輪には3つの領域があります。

1. 直接コントロールできること(内側の輪)

これは、自分の行動や考え方で直接変えられるものです。たとえば、「朝起きるのがつらい」という困りごとなら、夜更かしを控えたり、目覚まし時計を増やしたりすることで改善する可能性があります。また、「勉強に集中できない」と感じる場合、勉強の環境を変えたり、スマホを遠ざけたりといった具体的な行動を取ることで状況を変えられるかもしれません。

ポイントは、自分の行動にフォーカスすることです。他人の行動や周囲の環境ではなく、自分が変えられることに目を向けると、前向きな気持ちになりやすいです。

2. 影響を及ぼせること(中間の輪)

ここでは、自分では完全にコントロールできないけれど、ある程度の影響を与えられる問題が含まれます。たとえば、「友達との関係がぎくしゃくしている」といった困りごと。これは、相手の反応を完全にコントロールすることはできませんが、自分から話しかけてみたり、気持ちを伝えることで状況を変えられる可能性があります。

この領域では、「相手にどう影響を与えられるか」を考えるのがポイントです。直接的に行動を変えることはできなくても、自分の対応や態度が相手の反応を引き出すきっかけになることがあります。

3. コントロールできないこと(外側の輪)

最後に、これは自分ではどうにもならない問題です。他人の行動や過去の出来事、将来への漠然とした不安などがここに含まれます。たとえば、「周囲の人が自分をどう思っているか」は完全にコントロールできませんよね。自分がどれだけ努力しても、相手の気持ちや行動は変えられないことが多いです。

この領域では、手放すことを学ぶことが大切です。コントロールできないものにエネルギーを注ぎ続けると、無力感やストレスがどんどん増してしまいます。ここでは「できることに集中し、できないことは受け入れる」姿勢が必要になります。

では、実際にこのコントロールの輪を使って、自分の困りごとを整理してみましょう。


実践例

例えば、あなたが「学校生活がうまくいかない」と感じているとします。この漠然とした困りごとをコントロールの輪で分けてみます。

  • 直接コントロールできること
    ・提出期限を守るために宿題のスケジュールを作る
    ・朝の準備をスムーズにするために前日に荷物を整える
    ・ネガティブな思考を減らすためにリラクゼーションを試す

  • 影響を及ぼせること
    ・クラスメートと話す機会を増やして関係を改善する
    ・先生に相談してアドバイスをもらう
    ・部活動の先輩に助けを求める

  • コントロールできないこと
    ・クラス全員が自分をどう思っているか
    ・過去に失敗したプレゼンの評価
    ・学校の全体的な雰囲気

こうして整理すると、自分が取り組むべきことが明確になります。「コントロールできないこと」にとらわれていたエネルギーを、「直接コントロールできること」や「影響を及ぼせること」に向けることで、解決の糸口が見えてきます。


このエクササイズは、困りごとを抱えているときに自分のエネルギーを効率的に使うための強力なツールです。私たちは、時に自分ではどうにもならないことにとらわれて、立ち止まってしまうことがあります。でも、その時間を少しでも「自分が動かせるもの」に向けることで、状況を変えるきっかけが生まれるかもしれません。

困りごとをリストアップし、それをコントロールの輪に当てはめて整理する。それだけでも心が軽くなることがあります。ぜひ試してみてください。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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