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泥沼から抜け出すための思考法【サンクコスト】

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。

今日は「サンクコスト」についてお話しします。聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は日常生活の中でよく経験する心理現象です。今回は、サンクコストとは何か、それにどう対処するかを解説していきます。

サンクコストとは、すでに費やしたお金や時間のことを指します。たとえば、ガチャゲームで目当てのキャラが出ないときに、「ここまで課金したんだから、もっとやらなきゃ損だ」と思ってしまうあの感覚ですね。これがサンクコストの典型的な例です。他にも、長時間並んだラーメン屋で「30分待ったからここで諦めたらもったいない」と考えるのも同じです。

身近な例として、UFOキャッチャーがあります。1000円分プレイしてもぬいぐるみが取れなかったとき、「あと500円だけ」と続けてしまうのはよくある話ですよね。この「ここまでやったから」という心理が、サンクコストの罠なのです。

では、なぜこのような心理が働くのでしょうか?人間は投資したものを無駄にしたくない、という「損失回避」の傾向が強いと言われています。行動経済学によると、人間は利益を得るよりも、損をしたくないという気持ちが強く働くのです。その結果、合理的な判断ができなくなり、さらに損失を増やす行動をとってしまいます。

たとえば、株式投資を考えてみましょう。買った株が下がっているとき、「売れば損が確定するからもう少し待とう」と思いがちです。しかし、この心理が続くと損失がどんどん膨らむことがあります。これもサンクコストの一例です。

サンクコストの罠に陥らないためにはどうすれば良いのでしょうか?ポイントは、「すでに費やしたものは取り戻せない」と割り切ることです。つまり、今後の行動が利益を生むかどうかで判断することが重要です。たとえば、UFOキャッチャーを続けるか迷ったとき、「追加で500円を使う価値が本当にあるのか?」と冷静に考えることが大切です。

また、サンクコストに気づくためには、感情に流されないことが大切です。「ここまで頑張ったんだから」「あと少しでいけそうだから」といった感情的な判断を排除し、客観的に状況を見つめ直しましょう。たとえば、ラーメン屋の行列で「今から新しい店に行ったほうが満足できるのでは?」と考え直すことも一つの方法です。

もちろん、全ての状況でサンクコストを完全に避けることは難しいです。ときには、自分の満足感や楽しさを優先する選択も大切です。たとえば、「このぬいぐるみを取れたら嬉しいから、あと500円だけ」という気持ちが合理的であれば、それもまた良い選択と言えます。

まとめると、サンクコストとは「すでに費やしたお金や時間」に囚われてしまう心理のことです。この罠に気づき、未来に目を向けることで、合理的な判断がしやすくなります。ただし、損得勘定だけでなく、自分がどう感じるかも大切にしながら行動を選んでいきましょう。

日常生活の中で、サンクコストを意識しながら選択することは、思った以上に大切なスキルかもしれません。今日から少しずつ「今の選択が未来の自分にとってどうなのか」を考えてみると良いかもしれませんね。

それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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