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ずーっと不安が続く方へ
どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。
今日は「全般不安症」についてお話しします。不安や心配は日常生活で誰もが経験する感情ですが、全般不安症ではそれが過剰になり、生活全体に影響を及ぼすことがあります。
なぜそのような不安が続いてしまうのか、そしてどのような方法で対処できるのか、少し深く掘り下げて考えていきます。
まず、全般不安症とは、日常的な出来事や状況に対して過剰に心配してしまい、その結果として緊張感や疲労感が強くなる状態を指します。
たとえば、「明日、予定通りにバスが来なかったらどうしよう」や、「同僚に言ったことが誤解されていたら困る」といった、些細なことが頭から離れず、ずっと考え続けてしまう状態です。
これらの心配が蓄積すると、夜眠れなくなったり、集中力が低下したりと、日常生活に支障をきたします。
では、なぜ不安が続いてしまうのでしょうか。
一つの要因は、「不安を解消しようとする行動」がかえって逆効果を生んでしまうことです。
たとえば、繰り返し確認作業を行ったり、何かを避けたりすることで一時的に安心感を得ることがあります。
しかし、これが長期的には「確認しないと不安が解消されない」や「避けないと安心できない」という悪循環を作り出してしまいます。
このような行動パターンは、不安が持続する原因の一つと考えられています。
さらに、全般不安症の背景には、思考の偏りや誤解が影響していることもあります。
たとえば、最悪の事態ばかりを考える「破局視思考」や、不確実な状況を受け入れられないという特性です。これらの思考が、不安をさらに増幅させる原因となっています。
このような全般不安症の治療には、認知行動療法(CBT)が非常に効果的です。
CBTでは、患者の思考パターンや行動に焦点を当てて、具体的な技法を用いて不安を軽減することを目指します。
まず「認知再構成」です。これは、自分の考え方を客観的に捉え直し、不安を引き起こしている思考を現実的で柔軟なものに変える練習です。
たとえば、「予定通りにバスが来なかったらどうしよう」という考えを、「バスが遅れても代わりの方法が見つかるだろう」と置き換えるような方法です。
次に、「エクスポージャー」という技法も用いられます。
これは、不安を感じる状況に段階的に慣れていく方法です。たとえば、人前で話すことに不安を感じる場合、小さなグループで話すことから始め、徐々に大人数の場でも話せるように訓練します。
この方法は、不安を引き起こす状況に対する耐性を高める効果があります。
さらに、「リラクセーション」も重要です。これは、身体の緊張をほぐすことで心の緊張を和らげる方法です。深呼吸や筋肉を順番に緩めるエクササイズを行うことで、不安による身体的な負担を軽減します。
最近では、マインドフルネスを取り入れた技法も注目されています。
マインドフルネスは、「今この瞬間」に意識を向けることで、不安に囚われることを防ぐ方法です。不安な思考が浮かんできたときも、それを無理に消そうとせず、「そう考えている自分がいる」と認識することで、不安以外の物事に目を向けられるようになるでしょう。
全般不安症は、適切なサポートを受けることで改善することができます。
不安を完全になくすことは難しいかもしれませんが、生活を妨げるほどの強い不安を和らげることは十分にできます。不安に振り回されるのではなく、それとうまく付き合いながら、自分の生活を整えていく方法を見つけていきましょうね。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!