4枚カード問題(ウェイソン選択課題)正解率5%【知的雑学トリビア・豆知識】
4枚カード問題(ウェイソン選択課題)は、イギリスの認知心理学者 Wasonが考案した条件付き推論問題であり、「PならばQである」という形式の、条件付きカードに違反している可能性のあるものを見つけるという問題。
論理学や認知心理学における有名な実験で、人々が条件文に対してどのように推論するかを調べるために用いられます。具体的には、以下のような設定で行われます。
問題の設定
4枚のカードがあり、それぞれには片面にアルファベットの文字、もう片面に数字が書かれています。例えば、以下のようなカードが提示されます:
カード1:A
カード2:F
カード3:4
カード4:7
このとき、「もしカードに母音が書かれているならば、その裏は必ず偶数でなければならない」という規則が与えられます。
質問
この規則が正しいかどうかを確認するためには、どのカードを裏返せばよいでしょうか?
解答
論理的に考えると、以下のカードを裏返す必要があります
カード(A) - 裏面が偶数であることを確認するため。
カード(7) - 裏面が母音でないことを確認するため。
誤りやすい選択
多くの人がカード(F)やカード(4)を裏返そうとしますが、これは論理的には必要ありません。カード(F)の裏面が何であっても規則の検証には関係ありませんし、カード4の裏面が何であっても同様です。
この問題は、実際の人間の推論が形式論理とどれほど異なるかを示すために使われ、認知バイアスやヒューリスティクスの研究において重要な役割を果たしています。
考え方
「PならばQ」という命題が存在する場合、「QでないならPではない」という命題を対偶といいます。
元の命題が真であるならば、その対偶命題も必ず真となります。
逆に、対偶命題が真であれば、元の命題も真となります。
4枚カード問題は、形式論理学における対偶の規則を適用することで、容易に解くことができます。
「表(P)が母音ならば、裏(Q)は偶数である」という命題の対偶は、
「裏(Q)が偶数でないならば、表(P)は母音でない」
となります。
したがって、裏が偶数でない7のカードをめくり、その表が母音でないことを確認する必要があるということになるのです。
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