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付着.31 少年、青年、オッサンよ。大志を抱け。(少女~オバチャンも。)

今回は「ま」だ。

よい子の皆は、今でもヒーローに憧れているだろうか。オジサンも昔はヒーローごっこ的な遊びをよくしたものである。

我々の世代、ヒーローに欠かせなかったアイテムといえば、そう今日のテーマ「マント」だ。

おいおい、大丈夫か?マントなんかで今日飛べるのか?と心の中の自分が悲鳴をあげているが、無視することにした。今の子供達にはアンパンマンミュージアムが人気と言うではないか、俺も人気ものになりたいのだ。

マントのイメージはもちろんアンパンマン。世代的にはパーマンやスーパーマリオもそうだし、確か悪魔くんもつけていた気がする。後はピッコロさんだな。とにかく、ヒーローにマントはマストアイテムだった。少年はマントが欲しかった。

しかし、なぜヒーローになりたかったのか?と問われると答えることは難しく、「雰囲気」というしかない。彼らも殴る蹴るの暴行を行うし、平和的な解決ではない気もする。

少年が少し歳をとると、ヒーローになりたいのではない。「モテたい」のだという気持ちに気付いていく。ヒーローはモテだ。この気持ちに目覚めたとき、一番最初に邪魔になるものもまた、マントなのである。

あんなに欲しかったマントはファッションとして最低であり、(個人の主観だが。)こしらえて学校にでも行けば確実に笑い者になるだろう。本当に空でも飛べればいいのだが、まぁ無理だ。

スーパーマリオの飛び方ならなんとかいけるのでは?と考えるも、実際どうやって風呂敷みたいに広げているのだ?足の親指と人差し指で挟んでるのか?だとすると格好いいのか?このような疑問が次々にわいてくる。

どうやったらモテるのか、どうしたらヒーローになれるのか。マントのことも忘れてはいない。俺だけのマントを手にいれるんだ。

そんな葛藤の末、少年達は見つけた。マントだと悟られずヒーローに変身し、なおかつモテそうなスタイルを!この後に流行ったのが、えりあしだけを長くする髪型なのである。

思い返すと、学年に数人くらいはいたのではないか?なにを隠そう、俺もその一人だった。

さらに歳を重ね、モテ期を経験できなかった少年は、あれ?モテにマントは関係なんじゃ?という疑念に襲われ、マントを脱ぐことを決意するのだ。

肩を落とし歩く青年は、もうヒーローに憧れることがなくなっていた。ヒーローがモテるのではない。モテる奴が、モテるのだ。当たり前の答えにたどり着き、空を見上げ煙草を咥えたものである。

青年も歳をとり、社会に出て働くようになると、すっかりヒーローのことは忘れて暮らしていた。それなりの格好、それなりの髪型。普通が一番。そんな風に思っていたのかもしれない。

ところがどっこい!(⬅️久しぶりに聞いたw)

なんと、男性もブーツを履く時代が到来したのだ!これをみた青年は、そうか!マントだけがヒーローじゃない。ブーツも履いていた!アンパンマンも長靴的な装備を身につけているではないか!!

衝撃だった。UGGなど、完全にアンパンのそれに見えていた。だが、ここまでヒーロー離れしていると中々受け入れがたいものである。

ブーツを履いた人を見かけると、あぁーまだヒーローに憧れているんだなぁ。俺はちょっと恥ずかしいなぁ。とブーツを避けるように生きてきた。先の尖った靴も、なんだかそれに似ている気がして痛かった。刺さるのだ。

スニーカーを愛し、スニーカー以外は拒み続けてきた。

青年もついにオッサンになり、モテよりもヒーローよりも身体がしんどいお年頃である。冷え性にも悩まされる日々のなか、ふとUGGのことを思い出した。そうだ!もうヒーローとかモテとかどうでもいい!温もりだ!ぬくくなればそれでいい!

オッサンはUGGに走った。今まで拒んできたモケモケのアンパンブーツが沢山並んでいる。照れながら試着をお願いすると、軽蔑の眼差しなどなく普通に履かせてくれた。

オッサンは覚悟を決め、足をブーツに埋めていく。

ぬ、ぬ、ぬくいー!!!

なんて温もりだ!冬、指先をかじかませていた自分がバカらしくなるほどのぬくもりに包まれる。即買いだった。

そして、悟ったのだ。

ヒーローがブーツや長靴を履いているのではない。ブーツや長靴がヒーローの正体だったと。そういえば、ヒーローには正体不明や秘密がつきものである。目の前のこれこそが、その秘密だったのだ。

ヒーローとは温もりなのだ。

そう考えると、マントも同じかもしれない。空中を飛び回るのだ。背中は冷えるだろう。

書き終えた今、思うことがある。マントやブーツのような温もりで人を包めるようになりたい。これが俺のヒーローなのだ。


ハッハッハ。「マント」思いの外、上手にまとまったではないか。(完全に偶然。w)

もしかすると、昨日書いたように心の中に住む神様仏様と、まさかの同居していたヒーローがまとめてくれたのかもしれない。もしくはnoteさんのお陰である。(話がわからない方は昨日の付着.30へどうぞ。)

あなたのヒーローは、心の中にも足元や背中にも隠れているのだ。

安心して、明日もいい日にしよう。

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