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娘の祈りー父の検査結果

18日、父の検査の日だった。

父の容体が良くなく、癌の可能性があるということで検査をする日。私はその前日に神棚を綺麗にし、祓詞をたくさん詠んだ。

自分へのお祓い込め、父や、自分の周りにいる人にも込めて。

その日のインスタにはこう載せた。

父から検査後メールが来た。疑われていた大腸癌ではなかったと。ただ、たまにくる激痛の原因が他の内臓にあるかもしれないから、再検査をするということだった。今は痛みは落ち着いていて、家で療養しているそうだ。とにかく現在癌ではなかったということがわかり、ほっとした。

「心配かけたな、悪かったな」

父は言っていた。

私は安心した半面「謎の激痛」に対する再検査が心配だったが、あまり両親にたくさん返信をするのが得意ではないなので、

「よかった。昨日、私神棚にお祈りしたんよ、そのおかげかな」

と返信した。

「そうか、神様にお祈りしてくれたんや。それが効いたんやな。ありがとう、次の検査は12月やから、また頼むわ。」

私は魔法使いでもないし、特別な力を持つわけでもない。スピリチュアルの世界から抜け出した今は守られているということはわかるが直接神様の声ももう聴こえないし、なんとなく直感がたまに働くくらいだ。

それでも娘の祈りを、おとうさんが喜んでくれた。

それで病気に効果が出たなんて、本気で思っていないけど、それだけで私は嬉しかった。嬉しかったんだ。

私は蔓延る様々な情報に惑わされることなく、やりたくないことはしない。疑惑を持つもの、疑問に思うことは手を出さない。見ない。

自分の信念をゆさぶられることなく貫いたまま
「共感覚を言葉と絵で伝えるアーティスト」をやりきった。

そして、何より本当の美しさを知った。

その状態で日本大会に迎える自分が誇りで、両親に見せてあげられることが幸福だ。

さあ、大会が終わったら次はなにから始めようか。
自分の信念のためだけに、私は進んで行く。

その様子を、父にも見守っていてほしいんだ。

山口葵

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山口葵|共感覚を言葉と絵で伝えるアーティスト 表現者
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