悔いのないよう動くこと
久しぶりに地元に帰って、家族とも電話した。用事が立て込んでいて会えなかったけど、文字で見るその姿より明らかなその「本当の姿」に安堵した。
地元では、これから先に行うことを進めたり、相談所に今後のことや現状を話したり、警察にDVの相談記録を残しに行くなど忙しなかった。
警察では「なぜ実際に受けている時に来なかったか」と尋ねられたが、家族のために勇気が出なかったとしか答えられなかった。
警察に行くことは、DVを受けている人がとる行動としてやはりとても大事なことだ。被害届を出す出さないは自分で決められるので、何かあった時のために相談記録を残すと、その後警察が経過などを連絡してくれたりと繋がることができるようで、安心できるのではないかと思った。
しかしながらここで書いたように、
DVを受けたあとには脳みそがおかしくなる。そのせいで判断がすごく鈍る。私が警察へ当時行けなかったのも、そのせいもあるのだろう。遠巻きに傍観すれば「なんで警察行かないの?」と思う事柄なのだから。
以前にDVの相談を受けていた子がいたが、顔面が腫れ上がるような大怪我をしても、それでも私が電話で何度も何度も言わないと警察に行くという行動を起こせない状態でいた。
それから証拠について。とても有効な証拠としては「顔が映っている痣や怪我の写真」。体の部位だけの写真よりも、より強い証拠となるそうだ。一番の証拠として最も強いのは「医師の診断書」。これは傷害罪暴行罪には決定的なものとなるらしい。
殴られた日の年月を正確に書き記しておくこともやはりとても重要だそうだ。そして警察へ相談記録を残しておくことも。
私の場合は市が関わっているので、その証拠が強みとなる。でも警察に当時行けたなら、もっと強みとなったのにと思うと後悔する。なので、今現在苦しんでいる人にはやはり警察へ相談をしにいってほしい。
相手がどれだけ優しく接して来ても殴ってきたという行為は決して消せないのだ。殴った次の日や、ひどい時は殴った数分後に抱きしめて謝って優しくするような加害者もいると聞く。
殴られている時の「許せない想い」を決して忘れないで、慎重に、冷静に頭を取り戻して行動してほしい。
刑事さんも含め話をしたのちに接近禁止命令についても詳しく教えてもらい、相談記録として残してもらった。また定期的に電話をかけ現状を確認すると言われた。
接近禁止命令は家族や親族にも近づけないようにできるというのでやはり心強いな。
手続きができるのは裁判所の方で効力のある期間は6ヶ月だそうで、都度更新をする必要があるということも教えてもらった。これは知らなかったことだったので知れてよかった。
接近禁止命令についてはこの記事にも詳しく書いてある。
DVには色々な種類があるが、
私の場合①~③を確実に受けていた。元夫がバイトや無職の期間が多く働かざるをえない状況や、夜の仕事をするまで家計が追い込まれても危機感を持たなかった姿勢からは④もあったのではないかと思う。
③の性的な暴力は、性交渉を断ると殴られていたので、これもあったと言える。これが一番苦痛だった。断れば殴られる、不機嫌になる、怒鳴る。応えれば苦痛でしかない時間を耐えなければいけない。地獄だった。
一方⑤の拘束は、自分が自由にしたいがためかあまりなかった。元夫はいつもネットカフェで朝帰りをしていたが、実際のところはわからないし問い詰めればキレてくるだろうから何も聞いていない。その代りこちらも好きに遊んでいた。
家事ができたので、仕事や同窓会などでお願いすることは多かった。そこは他の家庭よりは楽だったのかな、と感じる。しかし暴力はなくならなかった。いくら自由に遊びに行けても、殴られていては何も幸せな家庭ではなかった。
ほのぼのマイホーム系のアニメを見ると涙が出る時が何度もあった。実家では、こうだったのにどうして違うんだろう。私たちはどうしてこういう温かな家庭を築けなかったんだろうと、泣いた。
こんな想いたちが昇華できるよう、精いっぱい動こう。悔いのないように。
山口葵