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早川最奥の秘湯♨️奈良田温泉 白根館〜湯色変化の硫黄泉は“蕩ける名湯”〜
先月中旬から久し振りに“新地開拓”を掲げ、常連の湯ではなく未訪の名湯を探すことにした「日帰り温泉旅♨️🚗」。やはり“非日常”の醍醐味はこうした新しい体験からこそ得られると思うんですよね、うん‼️
そんなわけで、今回は南アルプスに抱かれた山梨県は早川の最奥にある秘湯『奈良田温泉 白根館』へと行って参りました💁♂️
◾️過去記事:2024年11月28日投稿(前回の日帰り旅はこちら♪)
甲斐早川最奥の地・奈良田〜孝謙天皇の伝説が残る“七不思議”〜
今回の旅の目的地は山梨県早川町、その最奥にある“奈良田温泉郷”です。日本三大急流の1つである富士川の支流・早川の上流に位置し、南アルプス連峰(赤石山脈)に抱かれた“秘境”と呼ぶに相応しい里ですね💁♂️
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画像加工・引用元:Google Map…2024年12月01日加工引用
撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Screenshot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
前回訪れた南部町も富士川の渓谷沿いですが、周辺には高速道路や鉄道など公共交通機関が整備されています。一方、奈良田温泉郷は南アルプス街道以外に主要道は存在しないため、実質的にバス以外の公共交通機関では到達不可能。約40kmにわたる山道を、温泉目当てにひたすらクルマで突き進むことになります🚗
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
前回旅で南部町を訪れた際は新東名高速道路🛣️新清水ICから北上しましたが、今回は中央自動車道🛣️甲府南ICから国道300号、そして国道52号線を経由して身延町に入りました。その後、富士川沿いを南下した上で下部温泉郷から県道37号線、通称・南アルプス街道で早川町へと進んでいきます🚗💨
この日は非常に天候も良く、途中で南アルプス市を通過する際には南アルプス連峰の山々を鮮明に見ることができました。特になぜか私が見ようとすると雲に隠れる“北岳”を久し振りに拝めましたね📸
北岳は標高3193メートルを誇る南アルプス連峰の最高峰で、日本国内では標高3776メートルの富士山に次ぐ第2高峰です🏔️(富士山の影に隠れがちだから覚えてあげてね😭)
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
さて、南アルプス街道で早川渓流沿いを北上していくわけですが、この季節は紅葉の見頃で非常に山々が映えます。ただ、私が運転者ですからスマートフォンを構えるわけにもいかず、道中で写真を撮ることは叶いませんでしたね💦
いや〜途中で糸魚川ー静岡構造線露頭など個人的に気になる名所もありますから立ち寄れば良かったんですけどねぇ😥今回は昼過ぎに神奈川県を出発しており、温泉の受付時間なども考慮すると時間的余裕が全く無かったんですよ…ユルシテ⏳
◾️参考:2024年12月01日閲覧
秘境・“奈良田”と第46代孝謙天皇の伝説
今回の温泉郷である“奈良田”。この地には約1300年以上にわたり“七不思議の湯”という伝説が語り継がれています。そして、この伝説がそのまま地名の由来に直結する面白い地域伝統文化が息づいていますので、ここでちょっとご紹介…🧑🏫
現在から約1300年前の西暦749年、奈良東大寺大仏の建立で有名な聖武天皇の娘である孝謙天皇(奈良王)が即位しました。その孝謙天皇が病に臥せっていたある夜、夢の中で謎の翁に遭遇します。その翁は甲斐の国、現在の山梨県の白鳳の深山に諸病に効果がある霊泉があると伝えて姿を消したと言います👀
その霊泉を求めて甲斐を訪れた孝謙天皇は、夢の中の景色を思い浮かべながら険しい山道を登り、遂に山奥の小さな村にたどり着く。美しい棚田と景色を見ながら孝謙天皇は呟きます🤩
👤「奈良の都は七条、この地の棚田も七段。ここも“奈良”である」
棚田七段を由来とした“奈良田”を愛した孝謙天皇は約8年間にわたりこの地に留まり、湧き出す霊泉であらゆる病いを完治させたという。この話はいつしか”奈良田伝説”と呼ばれて約1300年以上も語り継がれる事になりました📝
◾️参考:2024年12月01日閲覧
しかし、1957年に西山ダム建設に伴い集落の大部分が奈良田湖の底へ沈むことになります。その直前に奈良田の湯を守るべく、村の男たちが無謀な温泉掘削を試みます。その結果、ダム湖に沈まぬ場所で泉脈が繋がり再び源泉が沸出したことで、令和の時代にも奈良田温泉郷が引き継がれてきたというわけです🕵️
奈良田温泉 白根館〜香る硫黄と湯の花に“蕩ける名湯”〜
はい‼️そんな昔話をしている間に秘境・奈良田の地に辿り着きました。静かに佇む里を渓流沿いに進むと、名湯『奈良田温泉 白根館』が静かに見えてくる🚗💨
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
『奈良田温泉 白根館』は、先ほど“伝説”の最後でダム湖に沈んだ泉脈を再度沸出させた男たちの1人である深沢菊男さんが開業した一軒宿を系譜とする日帰り温泉施設です♨️以前は宿泊業も営み繁盛していたそうですが、地域社会の高齢化に伴い現在は日帰り温泉のみの営業となったとのこと…“働き手不足”の問題は地方ほどやはり深刻なように思えましたね💦
◾️参考:2024年12月01日閲覧
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
内装は非常にレトロで温かみの感じる雰囲気ですね✨入り口から入るとすぐに受付があり、日帰り入浴料は1人1000円、現金決済のみ対応です。利用時間は平日10:30〜15:30、休日は10:30〜16:30までとなりますのでご注意を…⚠️
今回はタオル類を持っていきませんでしたので、受付で白根館の刺繍の入ったタオルを購入しました。何だかんだこういうタオルを現地調達するのも楽しみの1つだったりするんですよね👌
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
受付の横を抜けて大浴場への通路に進入。今回訪れた男性浴場は内湯と露天風呂が併設されていました。一方、女性は内湯は内湯、露天は露天と場所が分かれています。常にこの形式なのか、それとも時間帯で男女入れ替わるのか…ただ、案内板の性別表示が簡単に入れ替われるようになっていましたので、多分日毎に入れ替わるような気がしますね😹
【温泉】 奈良田温泉 七不思議の湯
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
さて、今回の温泉を堪能した率直な感想は、まさしく“蕩ける湯”…手に掬い上げると途端にヌルヌル、あるいはトロトロした感触が伝わる。まさに化粧水が温泉化したような感覚ですね。実際に湯船に入ると身体全体が滑らかな膜に覆われ、それこそ温泉が身体の芯に溶け込むような気持ちよさが抜群の湯加減とともに押し寄せるんですよ…あぁ、もうダメだ、都会になんぞ帰りたくないぃ〜♨️
この“蕩ける湯”…個人的に長野県の竜島温泉に似ているように感じました。竜島温泉も非常にとろみが強い温泉ですが、奈良田温泉は湯温が少し高いことで身体の芯までリラックスできる点が最高でした。正直に申しますと、私自身が実際に山梨県で過去入浴してきた温泉の中では間違いなく最高泉質。久し振りに“名湯”と言い切ることができる湯に出会えました✅
なお、今回の入浴時のお湯の色は無色透明で、硫黄の香ばしい香りが周囲に漂います。ただ、硫黄臭の強さと湯色も時間帯によって変化するそうで、訪れる時間帯や時期によって感想は異なるかも知れませんね✨
<今回の温泉データ>2024年12月01日
◎ 温泉名:奈良田温泉 白根館
◎ 源泉:七不思議の湯
◎ 源泉温度:47.8度
◎ 湧出量:70L/分
◎ pH値:9.1
◎ 泉質:低張性アルカリ性高温泉
(含硫黄ーナトリウムー塩化物温泉)
◾️参考:2024年12月01日閲覧
本栖湖から眺める“霊峰・富士山”のご褒美
さて、久しぶりの“名湯”に精神まで蕩けてしまいましたが、ちょうどその頃は夕暮れが刻一刻と迫る時間帯。流石に野生動物の宝庫である南アルプスの山中を真っ暗闇で走ることは避けたいですからね💦
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Screenshot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
本来であれば南アルプス街道を通過した後、北回りで中央自動車道、あるいは南回りで新東名高速道路で帰路に着くかを選ぶ予定でした。しかし、やはり週末の”サンデードライバー”の恒例行事か、両方とも多重事故で20kmを超える大渋滞が発生していました🚗💥
この最高の気分を事故渋滞で台無しにはしたくない…というわけで、迂回せずにそのまま富士五湖を突っ切り道志みちを経由して丹沢山地を超えることにしました。このルートはもう走りに慣れてるからねぇ〜⛰️🚗
このルートは高速道路こそありませんが、途中に限りなく“絶景”と呼ぶに相応しいスポットを通る。富士五湖の一画を成しながら名峰を水面に遍く浮かび上がらせる神秘の湖「本栖湖」です🗻
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
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撮影:あおいのとり 2024年12月01日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
本栖湖は富士山の火山活動で生じた5つの湖である“富士五湖”の1つで、その中でも透明度が最も高く、水深が最も深いことで有名です。そして際たる特徴は“逆さ富士”を含む富士山の展望地であり、本栖湖畔の高台である中ノ倉峠から望む富士山は日本銀行券にも採用されるなど、昔から日本の文化とともにある名所です✨
今回は本栖湖通過がちょうど日没前後の時間帯に重なり、名峰の雪化粧を美しい夕陽の温かい光が照らす絶好の時間帯でした。本栖湖畔から雄大に聳える霊峰を前に、ただただ静かな水の音とともに佇む以外の選択肢はありませんでした🗻
◾️参考:2024年12月01日閲覧
ちなみに、先ほど本栖湖畔の中ノ倉峠から望む富士山のお話をしましたが、実際に私自身も今年1月下旬に中ノ倉峠に登りました。旧千円札とともに並ぶ富士山の美しさに見惚れていましたね💦(現行千円札にはありませんよw)
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撮影:あおいのとり 2024年01月31日
Shot on 2023 Apple iPhone 15 Pro 512GB
この中ノ倉峠は約30分ほどで登ることができますが、登山道は整備されているとはいえ滑りやすく急勾配であることに変わりありません。また、今年はこの場所で熊が登山者を襲う事故も発生しています。登山靴やステッキ、クマ避けなど最低限の装備を用意して訪れることを推奨します💁♂️
◾️参考:2024年12月01日閲覧
そんなわけで、山梨の秘湯・奈良田温泉と、山梨の秘宝・本栖湖富士のお話でした。なお、今回も日本酒を調達予定でしたが、まさかの時間の問題で道の駅の営業時間終了で万事休す…また近いうちに調達の旅に出ることにします。それでは👋