【バーチャル旅行】四大財閥の一つ安田財閥の名を冠する「安善駅」とビートルズの不思議な縁

2020年12月12日 14:03

バーチャル旅行も3日目になりました。物理的に移動する旅とは違い時間や場所に関係なく旅立てるのが良いですね。海芝浦駅、浅野駅の流れで鶴見線を旅していきます。本日は「安善駅」です。

名前の由来は安田財閥の祖、安田善次郎に因んで付けられたものです。国鉄による買収以前、安善町駅・安善通駅の2つの駅があり、国有化された後、統合されて安善駅となったようです。駅のすぐ脇の通りの名称も安善通りと呼ばれていて、近くの踏切にも名が使われています。

安田善次郎とはどんな人物だったのでしょうか？足軽の子として富山で生まれ奉公で江戸に出て両替商に勤めた後、独立して両替商を開業、現在のみずほファイナンシャルグループ、損害保険ジャパン、明治安田生命保険、東京建物等を次々と設立して安田財閥を作り上げた人物です。全て現存する巨大な企業群なので無一文から始まり想像を絶するような富を築き上げた人物ですね。当時国家予算の8分の1程の資産を築き上げたと言われています。現在、日本の国家予算が年間300兆円なので想像もできない金額です。

東京大学の安田講堂や日比谷公会堂、千代田区立麹町中学校校地も安田善次郎氏の寄贈によるものですが、当時「名声を得るために寄付をするのではなく、陰徳でなくてはならない」として匿名で寄付を行っていたため生前はこれらの寄付が行われたことは世間に知られてはいなかったそうです。

安田善次郎氏に関して様々な書籍がありますが、生前に口述筆記させた自叙伝が「富の活動」という本になります。明治時代の書物なので当然現代では絶版ですが、国立国会図書館デジタルコレクションで見つけることが出来ましたので今度暇を見つけて読んでみようと思います。

また安田善次郎氏を調べていて知ったのですがビートルズのメンバーの一人ジョン・レノンと結婚したオノ・ヨーコさんは安田善次郎氏のひ孫にあたり幼少期は鎌倉にある安田家の別荘で暮らしていたそうです。その後は学習院などに通い最終的にはニューヨークで音楽と詩を学びました。

ちなみに気になって調べてみたところ、ジョン・レノンを暗殺したチャップマンは現在も無期懲役で2020年現在も服役中です。安田善次郎氏も暗殺されているので何か不思議な因縁を感じますね。

色々と思いを巡らしているとジョン・レノンの歌声が聴きたくなってきたのでクリスマスソングをどうぞ。

話がだいぶ脱線しましたが、安善駅に関しては実際に行かれた方の記事が詳しいのでこちらもぜひ御覧ください。

安善駅のストリートビューを眺めてみると何故か外国の方が数名写っていました

外国の方が行くような施設が何かあるのかと思いGoogleマップで駅の周辺を見回してみると南に下ったところに「米海軍横須賀基地鶴見貯油施設」というエリアがありました。

調べてみると現在も稼働しているアメリカ海軍の給油施設で在日米軍の貯油施設として最大の規模を誇り全アメリカ軍の貯油施設としても最大級の施設とのことです。ここを拠点に横田基地や厚木基地まで航空燃料を輸送しているそうです。また安善駅から拝島駅まで燃料を輸送する貨物列車も走っているそうです。

周辺を見ると他にもタンクらしき施設がたくさんあるのでこの貯油施設のある島は燃料を貯える場所として機能しているように見えます。

昨日探索した隣の浅野駅近辺に消防署があったのももしかするとこの場所との縁もあるのかもしれません（勝手な想像です）

安善駅からこちらの貯油施設まで徒歩での景色を楽しみたい方はこちらの記事が詳しいです。米軍の燃料を運ぶ専用車両の事は「米タン」と呼ばれています。ネット情報によると「米タン」が動くのを見てみたい方は火曜日と木曜日に走ることが多いようなのでこの日を狙っていくと良さそうです。

この付近には昔浜安善駅という駅も存在していました。つい10年ほど前までは駅舎は残っていたようですが現在は浜安善駅の駅舎も解体されています。浜安善駅を調べてみるとこの建物が好きで何度もこの場所に足を運んでいる方もたくさんいたようです。こういう古い雰囲気を漂わせる建物には不思議な魅力がありますよね。もし建物が残っていたらぜひ一度見てみたかったです。