「死にたい」はダメじゃない
昨今、自殺が増えていると聞きました。
コロナの影響で、孤独になっているからだと。そして、虐待の通報件数も上がっていると。
新しい環境になり、色々なものが浮き彫りにされていると感じます。
前回の記事では「自殺を止めてほしい時」のお話をしましたが、今回は「死にたい」と思った時の心の持ちようについてお話したいと思います。
まず、「死にたい」という考えが頭をよぎった時、次にどんな事を考えますか。
「そんな事を考えちゃダメだ」と思っていませんか?きっと大半の方は、その考えに支配されないように 別の事を考えたり、無理矢理ポジティブな面を見つけたりするのではないでしょうか。
しかし、何度かそれをしても目を逸らせなくなってくることがあります。そしてそうなった時には身体や心がボロボロになっていることも少なくないです。
では、どうすればいいか。自分の心に正直になって、気持ちを吐露してほしいのです。
カウンセラーの講義を受けている時、「死にたい」と口にする方に対して、どうしたらいいのかとずっと不安に思っていました。
その事を先生に相談すると、「死にたい」は「死にたいほど辛い」という気持ちなんだよ、と教えてくれました。
そして、死にたいほど辛いのはなぜか お話を聞くのが私達の役割だと。
今読んでいただいているあなたも、きっと一度は死にたいと思ったことがあると思います。
でも、その気持ちを無理して押し込めなくていいんです。「あぁ、自分は死にたいと思うほど辛いんだ。限界だったんだ」とまずは自分を冷静に見つめてみてください。
そこから、カウンセラーや友人など誰かに気持ちを打ち明けてみてください。1人ではどうしても答えが出ない問題もあります。ここまで悩んでいるという事はその可能性が高いですし、逆に暗い感情を深掘りしてしまい逆効果になることもあるからです。
ちなみに、私はカウンセラーに聴いてもらうことをお勧めします。なぜならカウンセラーは話を聴くスペシャリストであり、基本的に「あなたの味方」だからです。
優秀なカウンセラーならば説教をしたり自分の話をしたり、むやみにアドバイスもしません。
まずは苦しんでいるあなたの胸の内を吐き出させ、傷の手当てをしてくれるからです。
友達であれば言いにくい剥き出しの感情も、プロの方には言いやすいというのもあります。
どうか、独りで悩まないでください。他の視点から見れば、意外と簡単に解決の糸口を見つけられることもあります。
最近読んだ本の中に、「一番勇敢な言葉は?」という問いに対して「『助けて』だよ」という答えが載っていました。
助けてと言うのは難しいかもしれません。
そんなことも自分で解決できないのか、と自分が弱く見られそうだから。自分が弱く感じるから。
相手にこんなことを言ったら困らせてしまうんじゃないか。
色々考えてしまいますよね。
でも、あなたが誰かから悩みを打ち明けられた時、そんな風に考えますか?
「この人の役に立ちたい」「打ち明けにくいことだろうに、話してくれてありがとう」と思ったりするのではないでしょうか。
大丈夫です。自分で想像するより、人はずっと優しいです。
独りで閉じ篭もるより、誰かと一緒に考えてみましょう。誰かがいてくれるだけで心は軽く、穏やかになれます。
どうかあなたが一日でも早く、穏やかな眠りにつけますように。