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『風が吹けば桶屋が儲かる』の寓意(アラサーOL・あっさり目)
朝の6時、コーヒーの湯気が目覚めきらない脳にそっと触れるこの時間、ふと思い出したのは「風が吹けば桶屋が儲かる」という、あの因果の迷宮を彷徨うようなことわざです。言葉にすればたったの11文字、しかしその中に組み込まれた因果関係のネットワークは、複雑系のシミュレーションを彷彿とさせる。風が吹くと埃が舞い、目が悪くなる人が増え、三味線の需要が増し、三味線に張る猫の皮が不足する結果猫が減り(にゃんこかわいそう)、ネズミが増え、桶がかじられ、桶屋が儲かる──この説明がすでに過剰に過ぎるのに、わたしの脳はさらに深く潜り込む。これはただのことわざではない。もはや経済学、いや、存在論にまで通じる寓意なのではないか、そう思わずにはいられません。
そもそも、「風」というのは何でしょう?物理現象としての風も然りですが、ここではもっと抽象的な「変化の兆し」として捉えられるでしょう。社畜としてわたしが日々追い求めているのは、実はまさにこの「風」を読む技術です。風は見えない。けれど、その結果として舞う埃、乱れる草、そしてそれに対応する人間の行動──そうした連鎖反応から、風の存在を推測するのです。風を直接測ることはできなくても、その影響を見つめることで、私たちは世界の複雑な因果関係を解明しようと試みます。
でも、このことわざの核心にあるのは、もっとえげつなく湿った人間の心理です。なぜ「風が吹けば桶屋が儲かる」なんて言葉が生まれたのか。そこには、世界の因果をすべて説明したいという、恐ろしくも滑稽なまでの人間の欲望が潜んでいます。「すべてに理由がある」という発想は、自分が何かをコントロールできると思い込みたい心の現れです。風が吹いても桶屋が儲からない世界、それはカオスであり、偶然であり、きっと耐えられない。だからこそ、私たちはこのことわざを信じるのです─いや、信じたふりをするのです。
そして、ここからが経営コンサル的視点での真の「萌え」のポイントです。この因果の「飛躍」、つまり「猫が減ると桶が儲かる」という大胆すぎるロジック。これ、じつは現代のビジネスモデルにも通じるんですよ。たとえば、サブスクリプション経済なんてまさにそう。Netflixが儲かるのは、ユーザーが「観たい映画を探す苦労」という猫を排除したから。猫を減らせば桶が儲かる。このシンプルな公式に、私たちは延々と踊らされているのです。いや、踊らされることにすら快感を覚えている──そう、わたしたちは生粋の変態です。
ここまで書いて、ふと自分がこの文章を書いてから1時間も経過している事実に気づきました。あまりの熱量に、コーヒーは冷え切り、いつの間にか朝の光が部屋を満たしています。このことわざが教えてくれるのは、因果の迷宮を楽しむ「余裕」かもしれません。風が吹いても吹かなくても、そこからどう桶を売るか──それを考えるのが、儲けを生む真の知性ではないでしょうか?
さあ、あなたの朝はどうですか?風を感じましたか?それとも、ただ知的お漏らしをしただけでしょうか?いずれにせよ、今日も良い一日を。