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架空日記1「朝食」


 朝食までの時間は、自分にとって精神を落ち着つかせる時間だった。
 
 登校するまでの助走。職場への助走。
 集団の中に入っていく――その行為に、勢いが必要だった。
 だからわ朝は早く起きる。日が昇る時間と同時刻程度に、目がさめてしまう。
 そして、炊きたてのご飯と暖かな味噌汁を思い浮かべながら準備する。必要な分を小分けにして収納している棚を開き、必要な分だけ米を取り出す。
 一つ一つの動作に意識を向けて、冴えていく感じが、自分に気合いをいれてくれる。
 
 この、内側ではなく外側に意識が向けられる時間が、自分が上手く生きるために必要だった。

 2024.10.18 鬼努

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