秋なのに春
ものすごく病院に行っているので(ほんとに行っている)、なんだか気が済んだような気になっていたのか、インフルエンザの予防接種の予約をまだしていなかった。もう十分色々終わった気がしていたが、気のせい。
仕方なく、病院に電話をして予約。
現在練習中の曲は番囃子で玉鬘と西行桜。西行桜は前に番囃子でやったことがあるとばかり思っていたけれど、そうではなかった。
そして、改めてじっくり見てみると、前半のうにょーんの進む部分が長い。西行なかなか出てこない。
花見の話なので、季節的にちょっと変だけれど、練習なのでいいのだ。
玉鬘は前に番囃子でやったことがある。復習。
結構忘れている。この、玉鬘って、源氏物語に出てくる玉鬘と、お能の玉鬘って印象全然違うな~といつも思う。原作では玉鬘の悩みって、本人が恋愛どうのってより、周りの大人達から振り回されたり、立場によってどう仕様もないってところが多かった気がするのだけれど(そして結婚後はしっかり生活してる感じがある)、お能のほうはやたら悩んでいて(まあ悩んでたけど)、しかもそれがちょっと恋愛っぽいのが不思議。
ともかく、恋わたる とか華やかでいいなーと思う。ずっと思っているを「恋わたる」と表現すると広がりがあって、いいなあと思う。けど、光る君は「恋わたって」たけれど、玉鬘の方って恋渡ってなかった(そんな時間なかった)よねえと思う。光る君がこの時恋わたって思い出してたのは、夕顔だろうけれど。
ちなみに、源氏物語を読んでいて「光る君って、かっこいいか??なんか、やなやつジャないか?すっごい権力者で綺麗でお金持ちってことはわかったけれど、魅力ある?」と思い始めたのがこの玉鬘の段あたりだったと思う。青年期までの光る君はステキな感じがあるけれど、中年になると、やなやつというかもう「きもい・・・」と思い始めるようなところが私はあるなあ。
原作の源氏物語は与謝野晶子訳で完走した。元は古文で読んでいたのだけれど、話が半ばまで来ると、とにかく、『あれ?この帝ってどの帝だっけ?』とか『この時の中宮って誰?』とか役職名しか出てこないので。だんだん混乱してくるのだ。頭中将とか当たり前だけど出世してすぐ違う役職名だし。でも、あの人を指す時皆頭中将って言うよね。
頭中将の家って子供も自分も結構多産家系という感じで、葵の上が長生きだったなら、光る君も子沢山で姫がいっぱいいたかもねとか、フィクションなのに、まるでいた人たちみたいに語られがちなのが源氏物語。ベストセラー歴がながーいからなのだろう。もう、みんなの心に知らないうちに入り込んでいる部分があるように思う。
とにかく、古文で読んでいて途中で『これはもう、現代語訳の力を借りよう!』と与謝野晶子訳で無事全部読みきれた。与謝野晶子いなかったら読めてないと思う。与謝野晶子訳を選んだのは、与謝野晶子自身が名歌人であること、彼女の和歌を詠む力を信じたところが大きいのだけれど、その上青空文庫で全部読めたこともある。
オンライン化されているので、どこでも読みたい時に読めるので、おすすめ。