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言いたかったこと1つにつき、そうね1流れ星、結びましょうか


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 『残像に口紅を』を読了した。最初から最後まで面白かったな〜。文字が消えれば世界も消える。一文字消えただけではなんてことなくても、だんだん消えていく文字が増えていくと、シンプルな言い方ができなくて、複雑で、周りくどい言い方しかできなくなり、人とのコミュニケーションが取れなくなってくる。生活も不便になってくる。食べ物も飲み物も消える、生き物も消える、建物も機能しなくなる。消えてったものの存在を探すことはできない。(居たような気がする、でも、分からない、なんだか変だぞ)って思うだけでどうにもできない。絶対嫌だな、そんな世界。どうぞこれからも一文字も消えませんように。(消えないよ)

 久々に満足感のある読書をした感覚だったので調子に乗ってその後も読む。小川洋子・堀江敏幸『あとは切手を、一枚貼るだけ』と『罪と罰(下)』を少し。『あとは切手を〜』の言葉の美しさに心が清らかになってゆく。深い森のなかで心ゆくまで深呼吸しているような感覚。満たされていくね。最近は『罪と罰』で結構物騒な物語を読んでいたので、少なくとも穏やかではなかった。久々の心地よさ。切なさすらも美しいな…と改めて思う。

 (切なさや悲しみは、決して明るいものではないけれど、ひたすらに重苦しいものとしてあり続けているわけでもなくって、どこか美しいと思っている。悲しみや切なさや寂しさを経験している人は美しいと思う。その感情すらも時々光っていると思うことがある。物語を読んでいたら。影を影として見つめることも、時には大切だよね、きっと)

 そしてまた『罪と罰(下)』を読む。今更だけど結構これメンタルに影響しまくっている。読めるは読めるし、受け入れられるのだけど、この強化は果たしていいのだろうか…とちょっと考える。いや、読むよ、読まずにはいられぬし。だけど没入すると色々、分からなくなってくるのがわたしの特徴。わたし自身すら見失ってしまうことがある。自分が丸ごと入れ替わったような気さえする。そういうの、読書好きの人たちに経験ないかなぁ。


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(無垢な君たちにはまだまだ早い本だよ、と思いつつ撮った、かわいいね本当にね)


 最近歌集読んでないので明日からは読む。歌集を読む時期と読まない時期がある。読み込みすぎるとわたしの目なのか好きな歌人の目なのか分からなくなる時が来てしまって、自分で詠んだ歌が軒並み偽物になってしまう。(要は、歌人をインプットしたことでパクってしまっている気がするのだ、そんなつもりはなくとも、どこかで見た景色をなぞってしまっているような、見たものと読んだことをすり替えてしまうような、なんとも小賢しい行為に及んでしまっている気がして、うわあああ、となってしまう、)

 真似ることから上達することはあるけれど、わたしがわたしを他の誰かの歌ですり替えてしまうとそれはもうカラオケでキーや声質が合う人の曲を歌って上手いって言われてるようなもので。短歌って無限だからこそ、わたしが見えているもの、感じたもの、創ったものを大事にしないといけないという初歩も初歩、基本中の基本を忘れちゃいけないな、と思っているうちに自信を無くすのがいつものパターンなのだけど。

 でも楽しもう。うまく歌えたら楽しいし。明日から歌集読んで創って楽しもう。もう近いぞ、締切。

 

 明日は病院なので早起きしなくては。最近病院に行くのが心細い。道中の不安半端ない。頑張って生きる。

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