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東北の魅力再発見の旅:遠野編

青森の実家へ2週間あまり帰省したあと、
JRの乗り放題パスを使って、東北を5日間掛けて回りました。
盛岡の次に「遠野」という町を訪ねました。

遠野は、岩手県内のやまあいの町です。
盛岡から電車で、花巻を経由し約1時間半で着きました。


物語のくに


みなさん、「遠野物語」って聞いたことはありますか?
私は聞いたことはありましたが、何かは知りませんでした。

「遠野物語」とは

ザシキワラシカッパ神隠し姥捨てなど、岩手県遠野に伝わる伝承を記録した柳田国男の「遠野物語」

農商務省の官僚だった柳田は、農政調査のため全国の農村をまわるうちに、地方の民俗に深い関心を抱くようになりました。
そして明治41年、柳田は、遠野出身で早稲田の学生だった佐々木喜善と出会います。
佐々木は祖父から聞いた昔話を克明に記憶していました。
その不思議な物語に魅了された柳田は、何度も聞き書きを行います。
そして現地を訪ね、推敲を重ねたのちに「遠野物語」を出版しました。
「遠野物語」は、知識人の間で評判を呼び、日本民俗学の発展に大きな役割を果たすことになります。

神への畏怖感謝祖霊への思いなど、日本人の死生観自然観が凝縮された「遠野物語」。
そこには、津波で妻を失った男の物語など、今の東北にも通じる題材も含まれています。

https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/34_toono/index.html

「遠野物語」の関連本はたくさんあります。
また、たくさんの作家が「遠野物語」を題材にした作品を出しています。

京極夏彦
水木しげる
井上ひさし
森山大道
志村 有弘

https://www.amazon.co.jp/s?k=%E9%81%A0%E9%87%8E%E7%89%A9%E8%AA%9E&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2YLK7EL8B1KJD&sprefix=%E9%81%A0%E9%87%8E%E7%89%A9%E8%AA%9E%2Caps%2C182&ref=nb_sb_noss_1

遠野には、「遠野物語」にいわれのある場所や、
「遠野物語」を解説してくれる施設がたくさんありました。


遠野ふるさと村


遠野ふるさと村とは

遠野の昔の農村集落を再現。
手入れのいきとどいた里山の自然の中に、
馬と人が共に暮らした南部曲り家を大切に移築・保存し、
昭和初期の農村をイメージし整備した施設です。

https://www.tono-furusato.jp/

おとぎ話のような風景が再現されていました。

https://www.tono-furusato.jp/

建物の中も見ることができます。

昔は馬と一緒に暮らしていたそうです。


伝松園


伝松園とは

遠野地方のかつての農家の生活様式を再現し、伝承行事、昔話、民芸品の製作・実現などが体験できます。
園内には国の重要文化財旧菊池家住宅、『遠野物語』に話者であった佐々木喜善の記念館、千体オシラサマの御蚕神堂(オシラ堂)などがあります。

https://www.densyoen.jp/

遠野には、「オシラサマ」という地域の神さまがいます。
「遠野ふるさと村」の民家の床の間にもこのように飾られていました。

一体は女性、一体は「馬」です。

いわれは、このようです。

『遠野物語』69話には、オシラサマの起源となる物語が書かれています。

馬に恋をしてしまった農家の娘。それを知った父は激怒し、馬を殺してしまいます。
すると、馬と一緒に娘も天へと昇ってしまいました。 
この話にはつづきがあり、一人悲しみにくれる父の枕元に娘が現れ「馬の顔に似た虫(蚕)を 飼ってください。きっと父を養ってくれるから」と伝えたそうです。その後、父は養蚕を生業にして 生きていきました。 

「養蚕」の神さまといわれるゆえんです。
普段は箱にしまわれ、年に一度行われる祭日 「オシラ遊び」で、
願いを込めて新たな布を被せられるそうです。

「千体オシラサマの御蚕神堂(オシラ堂)」


伝松園には、郷土料理を楽しめるお食事処もあります。

伝松園の近くには、カッパが出たといういわれのある
「カッパ淵」もあります。

https://tabiiro.jp/leisure/s/200700-tono-kappabuchi/


遠野市立博物館


遠野市立博物館とは

『遠野物語』の世界を豊富な映像やジオラマ、実物資料で紹介しています。
展示室は3つのテーマに分かれており、第1展示室ではマルチスクリーンやプロジェクションマッピングを活用して、『遠野物語』の世界を体感できます。
第2展示室では、遠野の人々の暮らしや文化を「町」「里」「山」に分けて展示し、市場の賑わいや農村の四季が再現されています。
第3展示室では、年間3〜4回、『遠野物語』や民俗をテーマにした企画展が開催されます。

https://tonojikan.jp/tourism/tono-municipal-museum/

遠野の歴史を知ることができます。

祭りの様子

暮らしの様子


遠野物語の館


遠野物語の館とは

遠野の昔話や文化に触れられる複合施設です。

https://tonojikan.jp/tourism/tono-folktale-museum/

遠野の中心地にあり、まわりは風情のある町並みです。

日本の昔話を体感できる「昔話蔵」
『遠野物語』の著者「柳田國男展示館」で構成されています。

柳田國男展示館は、柳田國男が滞在した宿「旧高善旅館」と、
東京の世田谷区成城から移築した「旧柳田國男隠居所」で構成されています。

旧高善旅館

旧柳田國男隠居所


アーカイヴに残す大切さ


盛りだくさんでしたね!

遠野は、360度山に囲まれた東北の奥地。
列車も2時間に一本と、決してアクセスはよくありません。

それなのに、こんなにも「見せる」施設が整っていることに驚きました。

地域を「アーカイヴ」に残すことは、地域の誇りになる。
子供たちの記憶にも刻まれ、
地域が残っていく「もと」になるでしょうね。

そして私たちも、日本の歴史風土の奥深さを知ることになります。
まだまだ知らないことは、たくさんありますね。


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