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「死」にドラマチックなイメージをもってない?
今日はある本を紹介したいと思います。
アートディレクターが、「死」を「視覚的に」表現した本です。
今までとは全く違う視点で、とてもユーモラスに書かれています。
死にカタログ
死んだらコオロギになる。そう信じる人々がいる。
あばくのでもなく、かくすのでもなく、
寄藤文平が描いた等身大の死のカタチ。
「死ぬってなに?」
素朴な疑問を、絵で考えた新しい「死の本」。
寄藤文平(よりふじ ぶんぺい)とは
1973年生まれ、日本のアートディレクター、グラフィックデザイナー、イラストレーター
冒頭、このように始まります。
自分の両親は、もしかして宇宙人かもしれない。
小学校時代、本気で疑っていた時期があります。
死って何だろう。それを考えようとすると、
親が宇宙人かもしれないと思っていた、あの頃に戻ってしまう感じがします。
この本は、そんな僕が死を少しでもわかりたいと思ってつくった本です。
長く生きることは、老人でいる時間が増えること
「寿命がのびてもカラダはついていけない。」
日本の平均寿命はこの50年で20歳のびていますが、カラダが衰えるスピードが変化したというのは聞いたことがありません。
問題なのは、高齢化ではなくて、カラダや世の中がそれについていけないことだと思いました。
カラダの寿命
人は、12歳頃をピークに成長ホルモンが減っていきます。
医療や衛生面の改良で、人はなかなか死ななくなりましたが、カラダはいつの時代も変わらない速さで、老化します。
長く生きることは、老人でいる時間が増えることなのです。
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「老人でいる時間」が今は昔と比べ倍になった感じでしょうか(笑)
そう認識しておく必要がありますね。
年齢ごとに「気を付けること」は変わる
死因と年齢の力関係
主な死因での死亡者数を、年齢を横軸に図にしてみました。
元気な若者は病気にかかりにくいかわりに、事故で死にやすい。
働き盛りのサラリーマンには、自殺が多い。
年齢によって、それぞれの死因の割合が変わってくるのです。
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死因で毎日を考える
年齢によって主役の死因が変わるため、日々の心がけも変わるのかもしれません。
若いうちは健康よりも楽しさだったり、中年期は癒しだったり。
世の中の動きと照らし合わせると、案外合っているような気がします。
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若い時には、健康的な生活より「楽しさ」のほうが大事。
中年期は「癒し」。。
なるほど!
「死」のイメージは「空想」に過ぎない
この10年、日本国内で上映された映画の興行収入ランキング20位のなかで、人が死ぬ物語の比率を調べてみました。
「およそ9割」
さらに、その5割は、大量に人が死ぬのです。
この数字を見るかぎり、みんな、人の死が大好きなんだと思いました。
ドラマでも、ゲームでも、どこにでも死があります。
死の持つ迫力を借りて、刺激や感動を楽しむための物語もたくさんあります。
唯一永遠の「未知」だから、
いろいろな想像が込められ、物語になるということですね。
「死=物語ではない。」
既にある死の物語に自分の死をあてはめても、
楽しいけれど空想なんだと思います。
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「死に向き合う」とは「生き方と向き合う」こと
普段仕事に夢中で家に帰らなかったり、面白いことを見逃さないように
いつも楽しいことや、珍しいものを探していたりします。
それが当たり前で、それこそ充実した生き方だと思っていました。
ところが、そういう生活をしている人は、死への態度から見ると、
バリバリの「死から逃げている人」なのでした。
「死はそれまでの人生が津波のように襲ってくる」
死を前に、その人の中のあらゆることが凝縮するのだといいます。
死に向き合うというのは、結局、自分の生き方と向き合うことのようです。
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死に向かって人生を折りたたむ
今、できそうなことといえば、今日はカレーがおいしくできたとか、
この成功は、あの失敗があったおかげだなというふうに、
生活のなかのできごとを、かみくだいたり、つなげたりして、
自分なりに折りたたんでおくことかもしれません。
「毎日、ちょっとずつ折りたたんでおく。」
それから、ときおり死のほうから自分をふりかえってみる。
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死を前にしても、自分の人生に押しつぶされないように。
できるだけまっすぐ、死に向かって毎日を折りたたむ。
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死を前にし「津波に押し流されない」ように
「人生を折りたたんでおく」。
この「絵」を、時々思い出したいと思います(笑)。
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