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千歳烏山を許すな

こんにちは、調布育ち札幌在住のAnzです。今から書く話は全てネタとして読んで下さい。高校時代、世田谷区民に「出身どこ? あ、調布? そっか『市民』か笑」と言われたことは決して許していませんが、この話は全てネタとして読んで下さい。


皆さんは調布という街をご存じだろうか。東京の区部に入りきれず、「都下」といういかにもランクの低さを感じる括りに入れられている街で、最近やたらと道路が陥没していることで話題の街だ。このままだと印象が最悪なので一応良いところを言うと、新宿まで京王線の特急で2駅15分の好立地ではある。

そんな、それといった特徴は無いけれど程々に住みやすい街として知られている調布(自分調べ)だが、外界との移動手段を京王線に強く依存している。調布市内を走る鉄道は京王線以外になく、都民は車を移動手段として考えていないので、私たち調布市民は京王線が運転を見合わせた瞬間絶望する。本当に。

京王側に取ってみれば、競合が存在せず京王を使わざるを得ない調布市民は良いお客さんである。事実、調布駅は京王線で新宿駅に次ぐ2番目の乗降客数を誇っている。コロナ禍の2020年でも1日9万人強、コロナ前の2019年は1日13万人強と、毎日東京ドーム2個分の人々が駅の改札を通っている(ちなみにJR札幌駅の2020年の乗降客数は1日13万人弱だそう。東京は人が多すぎて怖い)。それだけ多くの人々が利用する駅なので、もちろん特急もしっかり停車する好待遇、調布駅が最寄り駅だった自分としては最高である。


......それなのに!!


先日発表された京王のダイヤ改正はヤバい。どう考えても世田谷区にゴマを擂っているとしか思えん!!!(再度言いますがこれはネタです)

今回のダイヤ改正、超簡単に言えば「特急の停車駅を増やします」という内容だった。肝心の追加される停車駅だが、調布ー新宿間にある「千歳烏山駅」と「笹塚駅」の2駅で、これまではどちらも特急の1つ下に当たる種別「準特急」までが停車していた。

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2021年現在の京王線路線図。千歳烏山と笹塚に特急は停まらない。

笹塚駅が特急の停車駅に加えられることはまだ理解出来る。なぜなら、笹塚駅は都営新宿線との乗換駅だからだ。市ヶ谷・神保町・秋葉原など東京都心方面に行くなら笹塚駅で新宿線に乗り換えた方が便利だし、実際に新宿線を使うことも多かった自分としては非常にありがたい話である。

さて、問題はもう一つの停車駅、千歳烏山駅だ。千歳烏山駅は調布市民にとって因縁の世田谷区に位置し、特に何があるかは知らないがやたら人が乗ってくる、まるで調布駅の弟のような駅だ。決して兄とは言いません。ええ。

この千歳烏山駅だが、調布駅ユーザーからしてみれば非常に厄介だ。調布駅発車時点でそれなりに(もう人が入らなさそうなくらい)混んでいる特急に、千歳烏山駅でさらに人が乗ってくると、ほぼ奴隷船のような状態の列車が完成し、千歳烏山ー新宿間が非常に長く感じるのだ。また、単純に停車駅が増えるのは、最上位種別である特急の速達性を考えるとやや不便な印象も受ける。これまでの特急は調布駅から明大前駅まで10駅以上すっ飛ばす感覚が心地よく、スピード感はそれなりにあったが、今回のダイヤ改正を正直に言ってしまえば、千歳烏山駅ユーザー以外には特に何の恩恵も無い

ただ、よく考えてみれば予兆は前からあった。京王線には先ほども話に挙げた「準特急」という珍しい種別があるのだが、元々調布ー新宿間においては明大前駅にしか停まらず、特急と停車駅は一緒だった。しかし、私が高校通学で京王線に乗るようになった頃、準特急の停車駅に千歳烏山駅と笹塚駅が追加され、特急の割合が減り準特急の割合が増えたのである。

予兆はこれだけではない。準特急の停車駅が増えた頃と同時期、京王ライナーという有料座席指定特急が運行を開始した。そして調布駅は、京王ライナーの停車駅から見事に漏れた。「15分くらいなら立って我慢してね」ということだろう。

そして今回のダイヤ改正を以て、遂に調布と千歳烏山は同等の立ち位置になってしまった。いや、新宿からの距離で考えるのならば、千歳烏山の方が上かもしれない。この10年で千歳烏山に下克上された調布は、特急の停車駅という点だけで千歳烏山に対して抱いていた優越感を、完全に打ち壊される形となった。こうして、世田谷区民に「そっか、『市民』か」と言われても、「そっちは特急停まらないクセに」と言い返せなくなった調布市民は、調布千歳烏山戦争で完全敗北を喫したのである。


***


流石にこのままだと京王に愚痴を言うだけのクソ野郎になってしまうので、京王線の良いなと思っていることも最後にお伝えしたい。それは、連続立体交差事業だ。

京王線は非常に過密なダイヤで運行をしており、現状では列車が詰まってノロノロと運転をすることが当たり前になっている。特に新宿方面に向かう場合、千歳烏山駅や明大前駅の手前では、前を走る各停の影響で特急がホームに入れず、駅の手前で待機する状態が常日頃起きている。

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連続立体交差事業の縦断図

現在、ノロノロ運転や開かずの踏切といった問題を解消するために、千歳烏山駅から笹塚駅の区間を高架化する工事がかなり進んでおり、高架化すれば千歳烏山駅と明大前駅は列車の追い越しが可能になる予定である。そうすれば前の各停を待たずともホームに入ることができ、特急のスピードアップが実現するかもしれない。

早く高架化工事が終了し、京王線が今よりも便利になることを一介の元調布市民は心から祈っている。ついでに、調布が東京24区目に入ることも祈っている。

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