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京都のパン屋

 パンが好きだ。


 ものごころついたころから、実家の朝食はパンだった。朝にコーヒーを欠かさない親は、ご飯とコーヒーは合わないから、と言って、毎朝必ず食パンを4枚焼き、チーズを乗せたり、ジャムを塗ったりして、パン生活を楽しんでいた。時々パン屋さんに出かけては、その時は好きな菓子パンを1個だけ、と言って買ってもらったりしていた。

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 田舎に育ったため、時々市内へ出かけると、百貨店のパン屋さんへ行った。特に京都伊勢丹のアンデルセンで買うミルクフランスが極上においしかったことを覚えている。母と二人で出かけると、いつも「お父さんはこれ、弟にはこれ」と、それぞれが好きそうなパンを選んで買っていた。

 そんな朝食の習慣が身につき、漏れなくわたしもパン好きに育った。大学に進学し、毎日市内へ出られるようになると、通学用の自転車で走り回り、LeafやSAVVYに載っているパン屋をたくさん巡った。特に京都でもパン屋通りと言われる今出川通りも良かったが、北大路通りが個人的にはお気に入りだった。実家から大学に通っていたので、山盛りパンを買って帰っても、消費できるのが楽しかった。

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 京都でそのまま就職してからは、自転車で巡りまくることはなくなったが、相変わらず大好きなパンを買い漁っていた。

 神戸に引っ越してきてから、京都のパン屋への愛があふれてたまらないので、今日は愛する京都のパン屋について書こうと思う。


1位 BLUGGE(ブルージュ)

 北山にあるパン屋さんで、時折梅田阪急等で開催されるパン祭りなんかにも出店していることがある。あと、鞍馬駅での出張販売も行っていることがある。
 フレンチトーストが店の推しのようだが、何より食パンが美味い。個人的見解として、食パンが美味しいパン屋は信頼できる。まあ、具材のセンスもあるけど。
 京都の歴代職場とも、大学ともそんなに近くなかったので、通い詰めるほどには食べられていないが、食べた時の感動が忘れられなくて、気に入ってよく通っていたパン屋の味をひとっとびに飛び越えて、今でも一位に君臨している。


2位 GRANDIR(グランディール)

 こちらは京都によく知られる名店、グランディール。今では下鴨、北山、京都市役所前、京都駅地下と店舗を多数展開している。京都市役所前の近くで働いていたころ、グランディールができると知って、飛び上がって喜んで、しょっちゅう通っていた。お昼ごろは、パニーニをその場で焼いてくれるが、ここも食パンがおいしい。あまり食べないが、ベーグルも有名だった。特におすすめしたいのはカスクルートで、パンの塩甘い感じと、バター感と、チーズとハムの相性が抜群。


3位 Walder(ワルダー)

 3、4位同時くらいにおすすめしたいが、こちらの名店を挙げておく。名前のとおりドイツパンのお店で、2位に挙げたグランディールよりも、オリーブのパンとか、シャンピニオン(これが絶品!)とか、ややおしゃれめで固いパンが並ぶ。麩屋町六角の公園の前にある小さなパン屋で、時々天気が良いときはここでパンを買って、公園の隅で食べたりした。 
 ここに来ると、よく山盛りのクロワッサンを買って帰った。あの油と砂糖の塊のような暴力的なデニッシュ生地が、実はあまり好きではない。太りそうというのもあるが、その割に食べ応えがないし、おいしくないデニッシュ生地は空虚さを覚えるほどだ。けれど、そんな私が何個でも食べたくなる、甘すぎないクロワッサンが大好きだ。しっかり噛めば噛むほど味が染みてきて止まらない。あぁ、食べたい。

4位 FRIANDICE(フリアンディーズ)

 3位と僅差で迷ったフリアンディーズは、この4軒のうち、一番通ったパン屋だと思う。二条駅前でアルバイトしていたころは、しょっちゅうViviの店舗に行っていたし、大学から北大路の店舗にも行っていた。
 烏丸御池で働いていたころは、昼休みに二条までダッシュして通ったりもした。そして、一番庶民的で通いやすいパン屋だったなあと思う。100円代の小ぶりのお惣菜パンや菓子パンがいつも30〜40種類並び、どれも食べやすかったし、たくさん買っても食べられるのが嬉しかった。ハードトーストが好きな私も、ここでは角食パンを好んで食べている。ここの角食のふんわりとろりの食感が大好きだ。

5.coneruya(コネルヤ)

 続いては丸太町七本松にあるこの小さなパン屋、コネルヤ。
 ここは派手さはないけれど、惣菜パンも菓子パンも、どのパンも絶対おいしいやん!というラインナップが揃っている。素朴な、昔ながらのメロンパンとか、きなこあんドーナツとか、バジルチキンのミニピザとか、チーズたっぷりのフランスパンとか。そして、おやつにはよくスコーンを買っていた。
 実家にいたころは、家族の分、父や弟が食べやすいものとか、考えてパンを選んでいたが、ここでは何も迷うことがなかった。どのパンも、「日常の食事」として、すっとなじんでくれるような優しさがあった。
 そして何より、食パンが美味しかった。甲乙つけがたいが、ブルージュに出会うまでは、ここが1位と言ってもいいくらいに気に入って食べていたように思う。小さいお店なので、就職してからはいつでも買える環境ではなかったけれど、近くに寄ったら絶対にパンを買い占めに走っていた。


ああ、、、まだまだ書きたい店がいっぱいある。
神戸でも、パン屋開拓の旅がしたい。



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