「昨日、こんな夢をみた」という話にご注意!
これは、夢学の師匠であるO先生との会話でもときどき話題になるのだが、たとえばテレビのバラエティ番組などで、タレントが「昨日、こんな夢をみた」という話を気軽にしゃべっている場面を見かける。これは、ある意味危険な行為だ。
私たちぐらいの「マスター・ドリーマー」(ドリームワークによって、夢の意味を読み取り慣れている人)からすると、ある人がどんな夢をみたか、という話を聞くと、その人の無意識の中で何が起きているかが、大まかにわかってしまう。
人はたいてい、人前で服を脱いで裸になったりはしないだろう。しかし夢の話はけっこう気軽にする。自分の無意識の中身をさらけ出している(内面の一部を露出している)という意識がないからだろう。
自分の内面をさらけ出すことは、悪いことではない。私は個人的には、あらゆる人が自分の内面を安心してさらけ出せる世の中であってほしいと願うが、しかし相手次第では悪用されかねない。たとえば、「人を陥れたい」という意図を持った「マスター・ドリーマー」が、人の夢の話を聞いたら、その人が無意識の中でどのような悩みや葛藤を抱えているかがわかり、それを利用してその人をマインドコントロールするシナリオを描こうと思えば、できないことはない。
私たちは常々、人が安心して自分のみた夢について話せる場が必要だと考えてきた。O先生は、まさに30年にわたって、そういう場の提供に勤しんでこられたわけだが、まだまだ世間の認識は、そういう場の必要性、そういう場がないことの危険性にまで思い至っていない。
というわけで、今さらながら、そういう場作りのために、夢について安心して語り合えるサークル「インテグラル夢学-入門」を立ち上げたわけだ。やや大仰なサークル名をつけたのは、気軽な「夢・井戸端会議」からスタートはするものの、いずれは参加者の自己成長や、夢に対するさらなる関心の深まりにつながってほしい、という願いを込めてのことである。