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映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」

映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」を観ました。

生真面目な税務署職員・熊沢二郎(内野聖陽)は、天才詐欺師・氷室マコト(岡田将生)にだまされて大金を奪われてしまう。熊沢は親友の刑事の手を借りて氷室を追い詰めるが、氷室はある権力者が脱税した10億円を自らが詐欺によって徴収することを条件に、見逃してくれるよう頼む。犯罪者と手を組むことに葛藤する熊沢だが、ある復讐(ふくしゅう)を果たすために氷室からの提案を受け入れる。二人はアウトローたちを集めて詐欺師集団「アングリースクワッド」を結成し、10億円を徴収しようとする。
韓国のドラマ「元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~」を原作にしたクライムドラマ。税務署に勤める生真面目な公務員と天才詐欺師が手を組み、権力者が脱税した10億円の徴収に挑む。メガホンを取るのは『カメラを止めるな!』シリーズなどの上田慎一郎。『きのう何食べた?』シリーズなどの内野聖陽、『ゴールド・ボーイ』などの岡田将生らが出演する。

公式ホームページより


超絶大傑作!!!!
マジでオススメ!!

元々8年前に放送された韓国ドラマを元に「カメラを止めるな!」でおなじみの上田慎一郎監督が手掛けた作品です。

本作のタイトルや予告編からも判る通り、「オーシャンズ11」的な“個性豊かな詐欺チームを結成し悪者が独り占めしている富を鮮やかに奪い取る”みたいなストーリーなのですが、この設定自体は既視感があるのにも関わらずまだまだこんな魅せ方があるのかと感動するほどに最高に痛快なエンタメムービーを作り出してくれました。

原作はあるにせよ、これはやはり上田慎一郎監督の手腕によるものではないかなと思いました。

過不足のない絶妙な脚本とカメラワーク。
明快な台詞回しで役者陣も最高でした。
監督の狙いなのかわかりませんが、総じて台詞がハキハキとしていてとても聞き取りやすかった。話運びも観ていて分かりやすかったです。

全体的にカラッとしてるというか。
Netflixのドラマなんかに比べると軽い雰囲気はあるのですが、演者も作り手も魅せ方がメチャクチャ上手いので負けてる感はまったく無いんですよね。

岡田将生さん演じるイケメン天才詐欺師
内野聖陽さん演じる生真面目な税務署職員
小澤征悦さん演じる裏の力を持つ脱税王

その他、川栄さんや皆川猿時さんなど皆さん本当に素晴らしかったです。

特に内野聖陽さんは本当にお見事でした。
序盤の怒りを溜めるパートのシーンの表情は特に凄かった。「ラブジェネのキムタクのお兄ちゃん」というイメージから完全に更新されました(古っ!!)

音の使い方も抜群でしたね。
なんか通常よりも音量が大きめだったような…
(この映画館だけだったのかは謎ですが)


まさかの“地面師”被り

さて、詐欺チームを結成して大きな権力を持つ悪党の脱税を暴く(金を取り戻す)というお話なのですが、具体的にどうやって騙すのかといいますととある土地の名義人をチームで装って金を騙し取るという方法だったのです。

そう、ここで「おや…?」と思った方は多いでしょう。

今年大きな話題を呼んだNetflixの「地面師たち」とまさかの丸被り。

いやこんなことってあるんですね。笑

それぞれの撮影期間やこの映画の原作がすでに韓国でドラマ化されているところを見るとどうやら間違いなくパクリやインスパイア云々という話ではなさそうなのですが(レビューの中に「地面師たちのパクリだ!」って言ってる人がいて本当におめでたいなと思いましたがw)、それにしてもこれはなかなか痛手だったかも…

いや、ある意味「地面師」という聞き慣れないワードに対して理解が深まった上でこの映画に触れられたからこれはこれでよかったのか…?

「『地面師たち』と比べて描写が甘かった」なんて感想も目にしましたが僕は別に気にならなかったです。

むしろエロやグロがほぼないのもあって個人的にはこっちの方が好きだったかも。

「ほぼない」と書きましたが最後に少しだけあるんですよ。それも取ってつけた感じで。苦笑

その真意がとあるYouTube動画で上田監督ご自身の口から語られていてなるほどなと思いました。端的にいうとあえて賛否を巻き起こしてみたかったという。それだったら僕はまんまとその違和感に引っかかった人間なので、これまた監督の思うままだったというところでしょうか。


さいごに

何にせよ本当に大傑作で、前述の通り音の使い方も良かったので配信を待たずにスクリーンで観られてよかったです。

近頃の配信コンテンツ過多による“過激ブーム”の一方でそうじゃなく、こんなマスに向けた作品でも痛快な作品は作れるということを示してくれた上田監督に拍手。

終盤の大団円で泣きました。
この理不尽だらけの社会で必死に生き抜いている父ちゃん達への讃歌でもあって。

僕らと同じか上の世代の方達にこそぜひ観て欲しい映画ですね。

あ、あと今からもう10年近く前にキングコングの西野さんのイベント絡みで出会った俳優の佐藤あみさんが出ていて驚きました。

「ミュートめがね」という同じく上田監督のショート動画にもメインキャストで出演していてこれもSNSで大バズりしていたので知ってる方もいるかと思います。

もうずいぶんご無沙汰していましたが、今作があまりに良過ぎて思わず映画館の外でメッセージを送らせていただきました。

夢を叶える人って本当に凄いですよね。尊敬する俳優さんです。

そんな嬉しいニュースも含めて、2024年ラストに良い作品に出逢えて幸せな気持ちになれました。

オススメの映画です◎


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