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大丈夫? 大きなお世話かもだけど

ついちょっとでも心配だと「大丈夫?」と口にしてしまう。
でも、受け手として思うことはその問いに「大丈夫!」としか返せないんです。大丈夫じゃなくても。じゃあ「大丈夫じゃない」と答えたらどうするんでしょう?
私の場合は、ひたすら話を聞きます。過度な前向きの励ましはしません。ただただ寄り添う。それが「大丈夫?」と声をかけた人ができることかと…。
冷たい言い方をしてしまうと、その人の苦しみはその人にしかわからない。ただ、口にすることで少しでも気持ちが軽くなってほしい。大きなお世話かもしれませんが…。

では、どうして「大丈夫?」の問いに「大丈夫!」としか返せないのでしょうか?
私の考えは「迷惑をかけたくない」「なんとかなるから」「そっとしておいて」の意味を含んで「大丈夫!」と返しているように思います。
大半、「大丈夫じゃない」ときに「大丈夫!」と言っている気がします。強がりともまた違う、どこか自分の弱さを他人に露呈してしまうのがイヤな面があるからとも。
決して、ハートは強くないし人に寄りかかりたい気持ちもものすごくある。「大丈夫!」と言って、相手に素直に甘えられない自分がますます嫌いになる。そのくせ、人には「大丈夫?」と声をかけているような…。自分の心配より他人の心配をしてることが多かったり。
なので、「大丈夫?」と相手に訊いたり「大丈夫!」と自分のことを言ってしまう人は、本当に相手想いの優しい人のような気がします。

気持ちが大変なとき「大丈夫!」とは返さず、どんな言葉で返せばいいのでしょうか?
私は「ちょっといいかなあ?」と少し話を聞いてもらうことが多いです。相手に話しているうちにだんだん自分の気持ちの整理ができていくんです。すると少し落ち着いてきます。
案外、人は聞き手に回って人の話を聞くことには「あ、自分には素直に言ってくれるんだ」と少し感激すらします。大変なときに話をしたい人が自分なんだと…。
やはり、そのときに話を聞いてもらった人と話を聞いた人との距離は縮まります。そして話を聞いた方はこう言えばいいのです。「今度、大丈夫じゃないとき、少し話聞いて」と。それでもし相手に「イヤだ」と言われてしまっても落ち込む必要はありません。「わがままな人だなあ」と思いながら関係を続けようとも続けまいと自分を誇らしく思っていればいいんです。「なんて優しいヤツなんだ私は」とちょっとうぬぼれてるくらいでいいんです。すると、そういうことができる自分をますます好きになれるはず。そして、さまざまな人にそれと同じ対応ができていきます。
いわゆる「垣根がない自分」になっていくのです。「ツラいときはお互いさま」の関係も誰かと成立していきます。

ではここで、そもそも論。「大丈夫?」と訊くことには私は2つの意味があります。
それは「あなたはひとりじゃないよ!」ってことを伝えたい、危ない方向へ行かないように引き留めるというものです。
どうしても人は「こんなに頑張ってるのに」や「なんで私だけツラい目に遭うの?」と悲観的になるとき、だいたいは一人称なんです。まるで悲劇のヒロイン・ヒーローみたいに。
だから、誰かの優しい気持ちを素直に受け取れない気持ちになってふさぎ込んでしまう。これが危険な方向へ行ってしまうと、もう誰も信用できないとまで考えるようになります。
さあ、ここでこの言葉「大丈夫?」の登場です。
その場は相手に「大丈夫!」と言われても、しばらくそっとしておくと「あのさ~」と口を開いてくれる時があります。もちろん何にも言われないときもあります。どっちにしても「ちょっとあなたのことを気にかけてるよ」ということを伝えているので、何も言わないより「大丈夫?」と言った方がいいのです。

それが相手にとって要らぬ心配への「大丈夫?」だとしても、それでいいじゃありませんか?

「大丈夫?」だけにかかわらず、相手への心配を含んだ言葉は伝えるべき。自然に口を突いて出てくるならなおさら。呑み込む必要はありませんよ。
「大丈夫!」と反応してしまっても、相手は「大丈夫じゃないのかな」とちゃんと心配してるふしがありますよ。

自分も含めて「大丈夫ですか?」だけじゃなく、事業所のみなさんで今日のコンディションも素直に話してわかっていただいた上で作業を進めています。無理せず、自分がするべきことができるのはそのおかげでもあります。

ホントに大丈夫なら「大丈夫!」と言えばOK。
でも、ツラい・大変・苦しいなら、もう「大丈夫!」とは言わずに、少し腹を割ってみませんか?

【執筆:Oneness A 年がら年中IceCoffee】