堕ちたままでいたい
以前、大雨に打たれたときの思い出話をします。
その日は、17~22時まで近所のスーパーでアルバイトをしました。私はアルバイトも基本的に「死にたい」と思いながら働いていました。人と話しているときは、「死にたい」という気持ちが頭にいつも浮かんでいるような気がします。
その日はシステムエラーが起こって、有人レジが1台しか稼働しなくなってしまったので、お客さんが並んでとても大変でした。おじさんにキレられて、余計死にたくなりました。私に怒っても何も意味なんかないのに…、そんなに並びたくないなら帰れ…って思いました。横柄な態度のお客さんの相手はしたくなかったです。もう意味が分かりませんでした。
そして、セルフレジの係員に交代してからは、店長に「大変だと思うけどお願いね…」と言われました。店内で写真撮影をしているベタベタな母娘を見かけて、気持ち悪い…よそでやってくれ…って、私は思いました。22時になって副店長とレジを交代したときは、肩に軽くだけ手を置かれました(多分「お疲れ様」という意味だったと思われます)。
帰りは突然、大雨が降りだしてきてずぶ濡れになりました。天気予報が曇りだったので、傘を持っていませんでした。久しぶりに雨に打たれて私は気分が良かったのを覚えています。落ち込んでいるときに雨に打たれて、逆にいい気分になれたんです。すごく悲しかったはずなのに、悲しいのは変わらないはずなのに、死にたいのに、家に帰らずにずっと雨に打たれていたい気分でした。
家に帰ってからは「馬鹿じゃないの」と母に言われました。でも、私は少し嬉しかったです。もっと私をいじめてほしい、もっと私を貶めてほしい、もっと私を蔑んでほしい、もっと私を堕としてほしいと思いました。いっそのこと「死んでほしい」と言われたかったです。
自分が好きなように過ごす、というのが私はよく分かりません。自分が嫌だなと思うことはやらない、良いと思うことはやってみる、そういう自由は誰にでもあるはずなのに、私はいつも人に流されてしまいます。嫌なことでも続ける、途中で投げ出さない、文句を言わずにやることが美徳とされている気がして、私はなかなか「嫌」と口に出して言えませんでした。
インターンをやめようと思って、就活アドバイザーの方や職場の方に相談したとき、口をそろえて「やめないでほしい」と言われました。その後もやりたくないながらも仕事をし続ける状態をずるずる引きずっていましたが、限界が来たので、病名を口実にさっさとやめました。
結局はそういうことです。勇気を出して相談しても、私の意思を汲み取ってくれているようで、自分の願望を言ってくるんです。だから、すべてを諦めたくなります。相変わらず、人と関わる度に恐怖を感じたり、具合が悪くなったりします。自分が良いと思うこと・やりたいことは死ぬこと以外特にありません。それを見つけるのですら、大変に感じられます。
自殺が私の将来の夢なのは一生変わらないし、変えるつもりもありません。将来の夢が自殺、早く死にたいと言っている時点で、私は心身の健康を失っていると思います。健康になりたいとはあまり思っていません。マイナスの状態からゼロの状態にすることは、とても労力がかかることです。私は堕ちたままでいたいんです。そして、そのまま堕ちていって、死んで安らかに眠りたいです。
翼が折れた鳥も
地に堕ちた天使も
二度と元通りの状態で
空には羽ばたけない
堕ちたまま静かに待つだけ
自分の運命が終わりを迎える時
それをいつまでも待ちわびている
やがて鳥は土に還り
天使は堕天使へと変身する
元通りには決して戻れない
私はそう思っています