読書まとめ『読める・わかる・解ける 超読解力』→文章構造を理解して読み、類型化で解く

『全教科対応!読める・わかる・解ける 超読解力』善方 威

一言でいうと

文章構造を理解して読み、類型化で解く

どんな人にオススメしたいか

・受験生と、子どもに勉強させて自分は勉強しない保護者
・「文章がわかりにくい」と他者から言われる人
・教科書を読んで理解できたつもりでも、他者にうまく説明できない人

著者は中学受験国語塾の代表。司法試験の解き方が受験の国語の問題にも応用できることを発見し、読解力の高め方を説いていてる。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井 紀子)』を読んで、国民全体の読解力の底上げが必要と気づき、自らの塾のノウハウを公開したとのこと。
基本的には受験生向けの本だが、大人が読んでも勉強になった。得られた気づきをまとめる。

① 読解とは、相関・因果関係を明確にすること

・読解力が低いと、単語を拾って、それを自分で勝手に組み合わせて理解して問題を解く。読んでない。
・ベン図を使って、概念の相関関係を考える。MECE。
・原因と結果、理由と主張を結ぶ。ピラミッドストラクチャー。
・「すべて」「必ず」「絶対に」など、例外を認めない表現は怪しいと思ってかかれ。絶対に儲かるとか、男はみんな~とか、受験に限らず。

② 論説文は二元論。論者の主張を先に把握する

・はじめに最終段落を読み、結論を確認する。何と何が対立していて、論者はどちらがよいと言っているかを把握してから全文を読む。
・受験で頻出なのは、理性と感情(大人と子ども)、多神教と一神教(東洋と西洋)、意味と表現(洋服を着る目的は、温度調節か自己表現か)。
・記述式の問題に答えるときも、頻出の二元論をフォーマットとして当てはめると書きやすい。
・個人的には、たくさんの文章を読んで色々なフォーマットに触れる経験が必要だと感じた。

③ 物語文は類型化できる、冒頭から推測する

・物語を読みはじめたら、まずはどんな物語か推測する。
・受験で出題される文章は、6つに類型化できる。成長、貧乏(病気、親の離婚などのコンプレックス)、愛(家族、神)、二元論、お金(仕事の成功、出世)、恋愛。
・受験に限らず、ほとんどの物語はこれらの要素の組み合わせでできているように感じた。
・男子中の受験で、あえて恋愛の物語文が出題されたりする。頭がいいだけでなく、他者の気持ちを理解できる人を入学させたい、という学校の意図。
・恋愛感情を理解できない男子が多いので、「胸がきゅんとする、どきどきする」「まぶしい」「意地悪してしまう」の表現が出てきたら恋愛感情だ、と塾で教える時代。

#推薦図書 #読書 #書評

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あんぱんだ | 視える化推進エンジニア
いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。

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