【ChatGPT】オウギペンギンを追いかけて
ChatGPTと遊んでいたら「オウギペンギン」なるペンギンが出てきたので、調査してみました。
きっかけは、ペンギンの見分け方への返答です。エンペラーペンギンの頭部に黄色い眉毛はないとか、ツッコミどころはありますが、気になったのは1点目の例示として挙がっている「オウギペンギン」。聞いたことのない名前だったので、深掘りしていきました。
雑な聞き返しでもちゃんと返答してくれるところは賢いですね。オウギペンギンの特徴が列記されてきました。
胸に白い斑点がある(1度目の問いから)
黒と白の模様
オーストラリアとニュージーランドの南部の海岸に生息
頭部の羽毛がオウギの扇子のように立ち上がっている
体のサイズは中型
身体の上半分が黒く、下半分が白い模様
これらの特徴を持つペンギンをGoogle検索やペンギンライブラリーで探してみましたが、見つからず。
架空のペンギンなのではないかと思いましたが、実在を主張してきました。ここでは新しい情報はありません。
情報源を聞いてみるも、回答できないようです。多数の書籍やオンラインの情報源から確認できると主張してきました。
英名は"Erect-crested penguin"、学名は"Eudyptes sclateri"と回答が得られました。これはシュレーターペンギンの英名・学名と一致します。
質問2,3より、オウギの扇子(頭痛が痛い、みたいな表現ですが)が名前の由来とのこと。エンペラーペンギンに対する皇帝ペンギンのような和名の可能性があります。
オウギペンギン=シュレーターペンギンかと思ったのですが、別種だと反論されました。シュレーターペンギンの学名は"Eudyptes schlegeli"だと訂正がありました。ちなみに、これはロイヤルペンギンの学名でした。
質問7と全く同じことを再度聞いてみました。今度は"Eudyptes chrysolophus"と返答。これはマカロニペンギンです。
質問8と同じ流れですが、今度は否定してきました。オウギペンギン=マカロニペンギンではなく、マカロニペンギンがオウギペンギンの近縁種だと主張しています。
写真の載っているサイトにリンクしてくれたりはしません。検索しろと。あと、オウギペンギンは南極ではなくオーストラリア・ニュージーランドに生息してるはずです。
会いに行けるペンギンらしい。例示された3つの園で実際に展示されているペンギンを調べてみました。いずれもケープペンギン(Spheniscus)属であり、今まで言及されてきたイワトビペンギン(Eudyptes)属ですらありません。
札幌市円山動物園:フンボルトペンギン
東京都恩賜上野動物園:ケープペンギン
神戸市立王子動物園:フンボルトペンギン
上野と王子をチョイスしてるあたり、質問者がパンダ好きなことを察しているのかもしれません。Microsoftのアカウント名にpandaって入れちゃってるしなぁ…
オウギペンギンの別名を聞いてみたところ、ジェントーペンギンになってしまいました。ジェンツーペンギンなら実在し、Gentooをジェントーと読めなくはないですが…
ジェンツーペンギンの名前の由来はポルトガル語で異教徒を表す"Gentio"で、頭部の白い帯模様をターバンに見立てたとのこと。また、生息地は南アフリカではなく、南米の南端~南極周辺です。
ここまでのやりとりを通じた、私の推測は以下のとおりです。
オウギペンギンは実在しない
Eudyptes属の飾り羽が、扇の形状と一致するとみなされた可能性がある
ChatGPTは情報源を記憶していない
私のパンダ好きがバレてる
感想
AIに知識を問う時の使い方としては、自分が知らないことを聞くのではなく、自分がすでにある程度知っていることを聞く方がよさそうです。最後のジェントー岬の話とか、もっともらしい口調でしれっとウソをついてきますからね… 返答が正確かどうか、必ず自分で裏付けを取った方がよいと感じました。
とはいえ、人間が裏付けを取るために使うのも、インターネットであることがほとんど。Googleで検索して結果が返ってこなければ、実在しないと結論づけられる世の中になりつつあります。真実とはなにか、実在とはなにか、人類が蓄積してきた知識に対して新しい哲学の扉が開かれるのかもしれません。
あとは、わざと実在しないもの・架空のものを作らせる使い方がおもしろいですね。
そりゃ映えるよ。
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