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春ジャガの土づくりをしながらクサイ思い出を語る
今日は予報通り雪となりました。また寒波が居座るかと思うとイヤになります。
さて、前回の雪が溶けて気温が上がり、畑の土が少し乾いたタイミングで、春ジャガの土づくりをしました。寒波と寒波の狭間ですから、急がないとまた雪が積もったら作業ができませんのでがんばりました。(^^)
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ところで、自然界では特に肥料を与えることなく植物が育っています。じゃ、畑でも肥料なしで作物は作れるんじゃないか?と思えますが、なかなかそうは行きません。やはり肥料は作物の栽培に欠かすことのできないものなのです。
自然界で植物が育つのは、動物の排せつ物や虫の死骸、枯れた植物などの有機物が、分解・発酵されて養分になっているからです。つまり、「有機物の循環」が行われてバランスが保たれているのです。
しかし、人の手による田んぼや畑には、基本的にこうした有機物の循環がありません。落ち葉や枯れ草、枝などはゴミとして処理されてしまうことが大半ですし、そもそもそういったものは手入れされた畑ではほとんど発生しませんから。
さらに人間が畑で作っている作物は、より美味しく、より収穫量が多くなるように品種改良した結果、自然界の植物より多くの肥料分を必要としますので、どうしても不足する養分を肥料で補う必要があるのです。
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でも、そんな畑でも人の手でできるだけ有機物の循環がうまくいくように環境を整えてやれば、あまり肥料を与えなくていいんじゃないでしょうか?
実は鎌倉時代後期から江戸時代、昭和にかけて続いてきた日本の農業はこれをかなりうまくやっていました。何しろ化成肥料なんてありませんから、人の糞尿を肥溜めで発酵させたり、堆肥や草木灰を作ったりして施していたのです。特に糞尿は下肥(しもごえ)といわれ、窒素分の補給に優れたよい肥料だったので、これがうまく有機物の循環となっていたわけです。
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それが、時代の変化とともにいつの間にか肥料は買うものになって行きました。私はこの要因として、化学技術の発達と近年の水洗トイレの普及が大きな出来事だったのだろうと考えています。
私が子どもだったころの日本は下水道が十分に整備されておらず、トイレはどこもまだポットン便所でしたので、田舎ではトイレの肥溜めが一杯になると糞尿を畑へ運び出して畑に施していたものです。それが水洗トイレの普及とともにできなくなりました。この作業をこのあたりでは「肥えもち」と言いましたが、若い世代はこの言葉すら知りません。
実は私の住む滋賀県は琵琶湖の水質悪化を受けて、全国でもいち早く下水道が整備され出した環境県でして、あの当時は水洗トイレの普及が最も進んだ県だったんですよね。(^^)
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私は子どもの頃から我が家の肥えもち要員としてかり出されていましたから、水洗トイレになってあの過酷な作業から解放されたことが心の底からうれしかったものです。
だって、非力な小学生が自分でトイレから汲み取った糞尿をなみなみと入れた「こえたご(45Lの桶)」をリヤカーに4つも乗せて、坂道を上り、橋を渡って遠い畑へ運んでは穴を掘って埋めるんですよ。これを何往復も。(^^;)
桶には一応ワラで蓋をするんだけど、何しろ田舎のデコボコ道ですからね。途中で揺れてチャッポンチャッポンしたりして。私はそんなへまはしませんでしたが、うっかり道にぶちまけたりしたらもう大変なんです。www
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思い返すと肥えもちは臭くて重労働だったけど、おかげで大抵の仕事に耐えられる根性はつきました。あれは有機物の循環にとってもすごく大切な作業だったんだなあ。(^^)
ま、トイレが水洗になったことで衛生環境の改善が進み、ハエはうんと減りました。加えて子どもの寄生虫感染率は過去10年の検出率が1%以下になるほどにまで激減。2016年3月末には学校での「ぎょう虫検査」がとうとう廃止されたことはまた別のお話です。
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