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恋は突然「おちる」もの

何が起きるかわからない

人生にはそんな瞬間が沢山ある。ひとつひとつの責任ある選択の結果が脈々と連続して繋がっているものだ。わたしはそう思う。本人ですら想像していなかったような、そんな事が往々にして起こる。

恋愛感情を抱くのは異性だけである

わたしは私自身のことをそう認識していたし、それを普通だと思って生きてきた。まわりにいくら同性を愛する人がいても、そういう環境があって当たり前だと思っていても。まさか自分がそうだとは思っていなかった。自分の傾向として、たまたま異性を好きというタイミングを選択していただけだ。

ある日、ふと気付いた時、たまたま「好きかも知れない」となった相手が同性だった。たったそれだけの事なのだけれど、自分の中ではなかなか衝撃的だった。わたしの中の選択肢が必ずしも異性だけである必要がなかったのだ。これを知れたことはとても幸せなことだと思ったし、本当の「愛を知る」ことができた。

わたしはバイだった?

まず最初にそれに気付いた時、自分をカテゴライズしようとした。いわゆる、わたしはバイセクシャルだったのだ。と、はじめはそう思っていたのだけれど、LGBTQのコミュティで話をしているうちに、「あー、それはパンセクシュアルだね。」と言うことであった。私の場合、特に同性に対しての恋愛感情は当時のお相手の他には考えられなかったこと。彼女が男でも女でも、性別はなんでも良かったこと。その人が性別関係なく好きであったこと。パンセクシュアルと言うのは、全性愛という意味だ。相手が女であろうが男であろうが、その人がその人であることが好きなのである。だから例えば、その人が女性から男性に性別を変えた人でも良いわけだ。最初聞いた時は理解しにくかったし、バイセクシャルとどう違うのかがわからなかった。

おにぎりのふりかけみたいなものだよ

わたしはおにぎりが好きなのであって、ふりかけはなんでも良い。味はどんな味でも良くて、その味が私にとっての性別なのだ。なるほどな、と腑に落ちた。確かにそうだ。性別がどっちかなんて言うのはどっちでも良くて、ただ彼女がたまたま女性だっただけである。彼女という「人間」が好きだったのだ。

正直、カテゴライズする必要は全くなくて、ただ自分を自分で理解する為に必要だっただけだ。愛に国境も性別も関係ないと思う。単純に生きてきた中で、今まで相手に出会ってこなかっただけで、たまたま興味の対象が男性であっただけである。自分が相手が誰であれ愛することができる、と知れたのはとても良い経験であった。わたしは彼女を愛していたし、海外に出ることも考えていた。結果上手くいかなかったが。それでも性別関係なく、本当の愛を知れたのだ。もしかしたら後にも先にも愛する事は最初で最後かもしれない、と思いながら。

30代に入って初めて知ったこと

結構な大人になってからそれに気づくことがあるなんて思ってなかった。それこそまわりには色んな友人がいたに関わらず。彼らは随分早くから気付いていることが多かったし、わたしはそれを普通に受け入れていたから。だから自分がパンセクシュアルと知ったときも、普通に受け入れることができたのだ。ああ、そうなんだ。そっか、わたしはそうなんだ、と。

世の中のあり方

愛の形というのは、どんなものでも良くて、それが恋情でも友情でも良いのだ。大切なのは、自分がどう思うか。どうしたいのかということ。外野はそれを事実として受け入れてあげるだけで良い、とわたしは思う。だから本当はカテゴライズする必要もなくて、いちいち平等がどう、とかする必要もないのだけれど。多分生きづらさを感じている人は沢山いて、だから所謂カミングアウトをしていない、潜在的なLGBTQに該当する人は沢山いると思う。そういう人たちが少しでも生きやすくなると良いなぁと思いながら。

わたしは割と自分にも親にも素直なタイプなので、オープンにカミングアウトしたし、それ以降知り合う人たちには、比較的自分がパンセクシュアルであることを伝えている。まだまだ認知されていないから、毎回説明するのだが、自分を知っていてもらう事は嬉しい事だし、理解しようとする姿勢でいてくれる事はとてもありがたい。そういう人もいるんだな〜という感じで思ってもらえたら。

ひとつだけお願いしたい事は、当然のように「彼氏いるの?」という問いをする人が多いので、できれば「恋人はいるの?」「パートナーはいるの?」という風に聞いてもらえたら嬉しい。彼女がいる時は「恋人はいるよ」と答えざるを得ないので。

人と違って当たり前

人の数だけ愛の形があって当然だし、アセクシュアルの人(他人に対して恋愛感情も性的感情も抱かない)やアロマンティックな人(他人に対して恋愛感情を抱かない)だっている。色んな人がいるのだから、自分の常識と他の人の常識は異なるのだと言うのを念頭において、人と接していけたら良いなと思う。そんな世の中になって欲しい。

そして子育てをする親御さんは、もしかしたら自分の子どもがそういうカミングアウトをしてくる可能性もあるかも知れないので、もしかしたら理解し難いかもしれないけれど、できれば受け入れてあげて欲しい。可能性を否定しないであげて欲しいな、と思う。

最後に。セクシュアリティ分析

あなたの傾向が知れる、診断も良かったら試して欲しい。


Anne

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