わたしらしさを形づくる働き方
複業-complex workという考え方をご存知だろうか。わたしは20代の頃にこの考え方に出会った。副業-subの仕事ではなく、メインの仕事を並行していくつか持つという考え方。
一時期傾倒していた本田直之さんと、おちまさとさんの「25歳からのひとりコングロマリットという働き方」という本から、仕事を複数持つことを知った。はじめて読んだときは、こんな考え方もあるんだ!と目からウロコだったことをよく覚えている。仕事は必ずしも1つでなくていいし、自分でリスクヘッジできる生き方が大事だと学んだ。そこから具体的に何か行動に移したか、と言われると否と答えざるを得ない。が、わたしはこの考え方を常に自分の根底に持っている。
転職を繰り返しているわたしが職業選択の中で大事にしていることは、その時その時でテーマが違ったりするが、様々な業種を選んでいることは、ここに繋がっているのかもしれない。
昭和の時代までは、1つの企業に長く勤めるのが美徳とされていたが、平成を経て、令和になった今の時代、その様な考え方では世の中を渡っていくことは難しい。リーマンショックの時に「終身雇用神話」は崩壊したのだ。漠然と、わたしは1箇所に止まることのリスクの方が大きいと思っていたため、接客業や事務職などでスキルを磨いてきた。言語スキルも低下させたくない為、英語を使う仕事に就いたのはここ10年くらいの話だ。
様々な職業を実際に体験し、自分自身に持てるカードを手元に揃えた。仕事だけじゃなく、マネタイズに繋がりそうな趣味もある。いつ何が起こっても、どこでも生きていける。この自信は、わたしがわたし自身に与えた選択肢だ。経験があるから、1から何事でも始められる。仕事を複数持つと言う考え方から、わたしはわたしなりの生き方を身につけたと感じている。
例えば、美容専門学校でネイリストの資格を取ったし、実際に働いていたことがあるので、またいつでも始められる。技術的なアップデートは必要ではあるが。
美容室の受付や、商業施設でインフォメーションをしていた事もあるので、ホスピタリティ業界でも働ける。
不動産業界でも働いていたし、運輸業の貿易セクションで働いていたこともある。テーマパークでも働いたし、仕事をしながら資格を取った経験もある。今は特許業界で働いている。
趣味の写真も、カメラマンのアシスタントをしていた時期があるし、アクセサリーを作っているのでネット販売をしようと思えばできる。アルコールインクアートも販売できるだろうし、もちろん役者としても生活している。本気を出したら配信でも生きていけるかもしれない。
沢山の選択肢の中からわたし自身を形成するカードを選んで、「これがわたしです」と現すことができるのだ。唯一無二。これがわたし自身の「セールスポイント」だと思っている。世の中に沢山人がいたって、わたしと全く同じ経験をしている人はこの世にわたししかいない。それを言い切ることができる。だからわたしはわたし自身がユニークだし、面白い人間だと思っている。そしてそんな自分がとても好きだ。
仕事をすることがとても楽しい。繰り返しの連続ではあるが、自分の興味を幅広く持たせ続ける為に、努力を惜しまず、学ぶ姿勢も忘れずに。そうやってわたしはこれからも自分の骨子を強化していくのだ。こんな生き方もある、と誰かの参考になれば嬉しく思う。
Anne