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何の為に修行するのか? ②【三相(無常・無我・苦)を知った後、何が得られるのか】

三相(無常・無我・苦)を知った後、何が得られるのか

 (①の続き)三相を知った後に何が得られるのでしょうか。極限まで知り尽くした後、身体へ執着する事と心へ執着する事から離れるようになります。阿羅漢は不思議な存在ではありません。阿羅漢は理屈を超えた摩訶不思議な存在であると思い描かないでください。まるで阿羅漢は何もしてはいけない、一日中少しも体を動かしてはいけいない、サギ(鳥)が魚が近くに来るのをじっと待って狩りをするかの様に、静かに座っていなければならないという事では無いのです。
 阿羅漢は本当に智慧が現れ苦が見えるまで、五蘊の罪業が見えるまで修行をした方なのです。五蘊とは苦です。そのように見えるようになった阿羅漢は五蘊への執着を手離すことができたのです。阿羅漢の心は五蘊を区別するのです、そして五蘊から離れるのです。五蘊に執着していないのです。阿羅漢は五蘊から自由になっているのです。五蘊そのものが苦なのです。ですから阿羅漢は苦から解脱しているのです。
 まだ生きている阿羅漢の事を苦から解脱した*と呼び、亡くなった阿羅漢のことを苦が滅した*と呼びます。五蘊が滅するのです。再び五蘊が生じることは無いのです。多くの人は阿羅漢は再び生まれてくるものだと思い描いています。また、涅槃の世界に行くものだと思っています。その考えは全く仏教ではないのです。阿羅漢が涅槃に入ったならば、電灯が消えてしまった様なものです。電灯が消えてしまったならば、どこにいるのか誰がわかるでしょうか。
(③へ続く)

¶ 施本 ปฏิบัติภาวนาเพื่ออะไร バティバッ・ パーワナー・プア・アライ (何の為に修行するのか) より

¶ サギ(鳥) 

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¶ 苦から解脱したพ้นทุกข์  ポン・トゥック = พ้น:Phon: 解脱する・脱する・乗り越える +  ทุกข์ Thuk 苦 dukka の事  

¶ 苦が滅した  ดับทุข์ ダッ(プ) ・トゥック=ดับ:Dap :消滅する・鎮まる・消える +  ทุกข์ Thuk 苦 dukka の事

¶五蘊(ごうん):pañca-kkhandha(パンチャッカンダ) 私達は色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊の五つの要素の組み合わせで構成されている。それぞれの蘊(塊)も無常・無我・苦である。


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