白骨化スマホ
本文
「餓者髑髏のお話はご存じかしら?」
「またですか」
オカルトサークルにて話されるようになった白骨化スマホの話。
餓者髑髏との関連を調べているさなかだ。
餓者髑髏が生者を食べる話はよく聞くだろう。
この頃、餓者髑髏に食べられた人間が相次いでいるのだ。
ある楽曲を聴いている人が食べられているとのことだ。
スマートフォンのミュージックアプリで分かったことだ。
早めにデータを取らないとスマートフォン自体が白骨化してしまう。
しかしながら、多くは白骨化していてデータどころか元々スマートフォンであったかすら怪しい状態だ。
「百鬼夜行除けの呪文があるじゃないですか」
「それが効かないのよ。餓者髑髏は昭和時代に作られたからね」
「そうですか…………。あ。そういえば、戦死者たちの怨念だと聞きましたよ。念仏を唱えればいいんじゃないですか」
「それでもダメなのよ…」
中々情報が出てこない。
2人は、気分転換に曲をかけることにした。
スローなバラードを選曲した。
2人は餓者髑髏に食べられてしまった。
スマートフォンは辛うじて残っているが、白骨化も時間の問題だろう。
参加企画
参考
クリエーターとして活動していくために、よりよい機材などが必要でございますわ。 ぜひご支援の程、お願い申し上げますわ。