割引シールよ!ウエルカム!
SDGsで食品ロスが話題になる。「廃棄処分になります!」とショッピングサイトでも売られているが、量が多すぎてとても買えない。「一緒に買おうよ」という友だちが近所にいるわけでもないので、キロ単位で冷凍品は手が出せない。
食品ロス対策として一番身近なのは、閉店間際もしくは、新しい賞味期限商品が陳列された時に今まで陳列されていた商品に貼られる割引シール。スーパーだけでなくデパートでも見切り品がたまに出てくる。
収入が少ないので、割引シールや見切り品は食費を浮かすために本当に助かっていて、娘がお給料をもらうようになっても、生活としては贅沢できるわけではないから、ありがたく利用させてもらっている。SDGs的理由ではない。
大学から一人暮らしを始めた私は、スーパーは夜になるとお惣菜が安くなることを知って仕送りが浮くことが嬉しかった。加えて、就職しても、結婚後もフルタイムで働いていると、スーパーの安売り日をねらって動くことはできないから、割引シールと見切り品が友だちである。ちょっとお試しで食べてみたい物も、割引シールが貼られていることで挑戦してみることもある。ようはそもそもがケチなのだ。
割引シールは、今はなかなか剥がれにくいようになっているが、昔はぺりぺりと剥がすことができた。
娘が学生の頃、早弁して、購買でお金を使わなくてもすむように菓子パンや総菜パンをひとつ持たせていた。どれも割引シールの商品。明日食べるんだし、そもそも賞味期限は消費期限でもなく、総菜パンなぞは焼けばなんとかなる。ただ、娘がまわりから恥ずかしい思いをするのではと思い、母心でぺりぺりとシールをはがしていた。わずかに残る白いシールも爪でとってお弁当バッグにいれていた。
ある日「シール、別にはがさなくていいよ。気にしてないから」と言われ、恥ずかしかったのは自分だと気づいた。
母子家庭になってしまったことの引け目なのだろう。当時は私の稼ぎとひとり親手当をもらってなんとか生活していて、学費も困窮による免除を受けており、それは娘も知っていた。娘と仲の良い友だちは、だいたい我が家の状況を知っているようで、そこに差別も遠慮もない人たちが集まっていた。
SDGsなんて言われなくても、食品ロスには貢献している。潤滑にまわって、割引シールも見切り品もなくなってしまうは、かなり痛い(笑)
SDGsと言われるようになってからか、割引シール商品を買うことに対する目が変わってきているようにも思う。これを買うことは貧乏で恥ずかしいことではなく、SDGsに参加している・食品ロスに貢献しているという見方だ。
ハイレベルな生活ができているご家庭は、SDGsでの食品ロスについては、大手サイトでがっつり購入いただき、生産者さんやお店屋さんを守っていただきたい。
お願いだから、巷のスーパーレベルでの割引シール商品は、我が家のような家庭に回していただきたい、とせつに思う。
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さて、今晩のおかずは、割引シールのついた厚揚げと、見切り品のピーマン大袋を、処分品のスイートチリで炒めるという、切って炒めるだけという手抜き料理の予定です。けっこう美味しくて、栄養的にも良いし、今ハマっています。スイートチリ1本98円ってびっくりですもん!
お読みいただきありがとうございました。お邪魔しました。