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想いや人生

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2020年8月の記事一覧

詩人の靴

詩人の靴

寄せる想いがあるから
紡げることばがあって

ひとりきりだから
膨らむことばがあって

片足に繋がりを
もう片足に孤独の靴を履いて
書き人は歩いていくのでしょう

誰かがいなければ
あたためられないことばがある

ひとりでなければ
すくいあげられないことばがある

カナリア

カナリア

愛が欲しいと
鳴く カナリア

誰もが羨む美しい声で
嘆きを詠う カナリア

その羽は綺麗なままで
飛び方を忘れてしまったように

射し込む明かり
開いた籠の扉
人は皆その胸に嘆きを
抱いて暮らす
だがそれだけが人生と
いうわけでもないだろう

空の上へ

とんでゆけ
美しい カナリア

僕もそのひとり

僕もそのひとり

アスファルトに落ちた葉は
土には還らず
崩れてその身を風に晒す

せめて一葉くらいは
拾い上げて
あの木の下へ

空は大きくて 青くて
人の暮らしは
今日もまたせわしない
どこかで ゆっくり

甘いかさぶた

甘いかさぶた

恋の想い出は
もどらない輝き
疼きの落としもの

愛して 愛されて
傷ついて 傷つけて

甘い残り香がして
剥がすと血の出るかさぶた
望むとも望まぬとも
過ぎ去った眩しい時の欠片

誰の胸にも
ひそやかに揺れ続ける花

PUZZLE

PUZZLE

恋をひとつ 涙をひとつ
優しさをひとつ
わがままをひとつ

ふたりで埋めてゆく
恋人たちのパズル

出来上がるのはどんな未来ですか

最後のひとつは
愛でありますように

たとえそれが
完成するともしまいとも

blowing

blowing

あなたからわたしへ
わたしからあの人へ
あの人からこの人へ

コトノハの風向きは
吹き抜けて巡りながら
ぼくたちわたしたちの
なまものの胸に触れて

繋いでいる
響いている

それは
言葉の情報ではない
心のゆらぎをやさしくも抱いて