水泳の通信教育:写真の部屋・Anizine
「私はこう考えた。だからこうなるはずだ」と中学生じみたことばかりいう人は、自分の仮説への過信に盲目になって『破綻への耐性』がなくなります。あなたが今いい大人だとして、子どものときにはどんな未来を想像していましたか。自分の環境も社会の構造もまったく違っていたはずで、私は今の年齢では仕事などせず悠々自適な生活を送っている想定でした。ニースあたりの別荘で葉巻をくゆらせていたはずなのです。それがどうでしょう。いまだにブヒブヒ言わせながら毎日、朝から晩まで仕事をしています。
それは「仕事」「生活」「幸福」という意味を本当に理解していなかったからです。仕事とは苦行である、生活とは凡庸である、幸福とは裕福さである、といった幼稚さゆえの知識のなさが想像力の不足に繋がっていました。
ある俳優から宣材用のポートレート撮影を頼まれたことがあるのですが、彼のマネージャーと話をしているうちに「これは大変なことになったぞ」と思いました。つい最近撮ってもらったのだが本人の良さが出ていなくて不満である。撮り直したくてあなたに依頼した、と言うのです。誰に撮ってもらったのかを聞いたところ、日本でその人を知らない人はいない写真家でした。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。