SAND ITにみるデザインと利便性 ~自分の考えを改めてブランドをもっと好きになるまで~
こんにちは!兄間です。
このnoteは
「SAND ITのレビュー兼、これってデザインを損なってない? という疑問が、分かるまで動こう! という行動と各担当者様のご厚意により
それなら納得できます! と考えを改めるまでの一連の思考の流れ」
を記したものになります。
SAND IT(サンドイット)とは
キングジムさん・TENTさんから、SAND IT(サンドイット)が発売されましたね!
キングジムさんは、テプラをはじめ名品がたくさんある好きなブランド。
TENTさんは、2018年にBOOKonBOOKを購入し、その素晴らしさを実感して以来ファンになったブランドです。
SAND IT(サンドイット)
そして本題のSAND IT。これを一言で表すと、
「シートとゴムバンドのみで作られたホルダー」
になります。カードサイズとA4サイズ(タテ・ヨコ)の3種類の展開です。
こちらのnoteに詳しい開発エピソードが載っています。8月下旬ごろにストアでSAND ITを知り、更にこのnoteを見つけ、TENTさんの新商品!と期待に胸を膨らませていました。
購入、到着、いざ開封の儀!
今回は、greenとblackを購入しました。SAND IT、色のラインナップも素敵ですよね。
わくわくしながら待ち、3日後無事到着!
ああ~~~~良い!!!! めっちゃ良い!!!! 機構最高!!!! 無駄に何度もぱかぱかしちゃう!!!!さっそくクリアホルダーから書類を移し替えよ~~っと!!!!!
しかし事件は、兄間がなんとなしに裏面を見た時に起こったのです。
んなああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
えっそこに!!!??? 刻印入れちゃうの!!!!!?????????いらなくない!!!? 絶対にいらないよな!!!!!?????????
とても細かいことです。細かすぎるくらいです。しかし、細部にこそ神は宿るの言葉通り、兄間にとっては大きな出来事でした。
つまり、簡潔にいうと、デザイン性を損なっているように感じてしまい、少しだけ、ほんの少しだけがっかりしました。
兄間がここ最近、これは素晴らしい!と思った商品のうちの一つに、無印良品さんの「2穴ファイル・アーチ式 A4・70mm・ダークグレー」があります。
商品についての情報は、購入時にファイルの内側に貼られたシールのみ。はがしやすいそのシールを取った後は、通常の2穴ファイルにありがちな余分な要素が一切なく、無駄がそぎ落とされた究極にシンプルなデザイン。兄間はそこに惚れこみました。
二穴ファイルでこれ以上のモノって考えられないのでは!? と思わせてくれる整列ぶり。大好きです。
またTENTさんの取り扱っている商品群は、商品自体に記載する情報のバランスも素晴らしく、前述のBOOKonBOOKには一切の表記がありませんし、ペントレイであるアイドントノウさんのSTACKは横面に黒の箔押しで極力目立たないデザイン、また筆箱であるNuAnsさんのFLIPTRAYはブランド名のタグがフタを引き上げる際の持ち手となるようなデザインがなされています。
(どれも愛用しております)
BOOKonBOOK
STACK
FLIPTRAY
大満足した二穴ファイルのすぐ後に購入したこと、そしてTENTさんの商品への高い期待値。その意識のままSAND ITに対峙することになったのです。
その結果もたらされた、ほんの少しのがっかり感。兄間はこの先、この裏面の刻印を見るたびにこの気持ちにならなくてはいけないのか…という落胆。
それでもSAND ITは良品に違いないという確信。
そしてあふれ出る、この気持ちを誰かに伝えたい!!という熱い想い。
TENTさんに感想メールを送ってみた
というわけで、TENTさんに感想メールを送ってみました!
当日の夜送ったら翌日の夜に返信が来ました。このスピード感、TENTさんの強い意志を感じる!
メールでは、おおまかに以下の内容を送りました。
・機構が最高!
・色がイメージと少し違った
・裏面にあった刻印にがっかりした
・品質と価格について
送った内容を一点ずつ、返信と、今の兄間の心境とを合わせて説明していきます。
・機構が最高!
本当にこれに尽きます。買ってよかった。無駄に何度もぱかぱかしちゃう!中の書類に合わせて厚さが変わるところとかマジ最高! noteでも、返信でも、キングジムさんとTENTさんのやりとりの中でSAND ITが洗練されていったことがうかがえました。背景を知るとより一層愛着がわきますね!
・色がイメージと少し違った
モニター上ではほんの少しだけ青みがかったダークグリーンに見え、それが理想にドンピシャだったのですが、実物はどちらかというと黄味よりのダークグリーンでした。「商品の画像を増やすなど、より色味のイメージがしやすいように改善します」との返信を頂きましたが、本当にわずかな差なので、こちらも複数のモニターで確認するなどの行動をするべきだったなと反省しています。
・裏面にあった刻印にがっかりした
返信にて、「キングジムさんは『品名』『会社名』『品番』を商品自体に記載しなければならないルールがあるようです」と教えて頂きました。とするとやはり裏面の刻印はキングジムさん主導で入れられたものなのだな…となります。ここで、これは一つ、キングジムさんにも突撃して思いのたけをぶつけてみようかな!という気持ちになりました。
・品質と価格について
フチの部分が少し白っぽくなっているのが気になるのと、安すぎて大丈夫か!? という質問。フチの白については「発泡PPシート」と呼ばれる素材を使用している性質上、どうしても出てしまうとのこと。また価格も、難しすぎない加工方法とキングジムさんの生産力が合わさって実現できたものだそうです。
全体的にネガティブよりな内容を送りましたが、それでもSAND ITを買ってよかったと思っていること、これからも応援していることを直接お伝えできました。返信にて温かく受け止めて頂けたことが分かり本当に良かったです。
熱く語れば想いは伝わるという事実に兄間は味を占めました。
キングジムさんにも、この感動と落胆をお伝えしたい!
キングジムさんに問い合わせしてみた
というわけで、キングジムさんにも問い合わせてみました!
当日の夜送ったら翌日の昼に返信が来ました。このスピード感、キングジムさんの強い意志を感じる!
返信の全文を掲載することははばかられるので、要旨を抜き出しつつ進めていこうと思います。
Q1. 社名、製品名、品番を記載している理由を知りたい!
A.「買い替えや追加購入の際のユーザー様の利便性を考慮したものです」
Q2.記載している理由の具体的な事例も併せて教えて!
A.「実際に、以下のような事例が発生しております。
・メーカー名や品番等が記載されていない物を文具店に持参されて
「これと同じ物を注文したい」と言われ、文具店はメーカーと
品番がわからず困ることがあります。
・弊社お客様相談室にも「今自分が使っているファイルはキングジムの
製品でしょうか? メーカーや品番は記載がないのでわかりません」
といった問い合わせが来ています。」
Q3.パッケージのシールに書かれているのではだめなの?
A.「パッケージや製品に貼ってあるシールは通常は捨てられてしまいますので、製品自体にメーカー名と品番がないと、買い替えや追加購入したいと思ってもメーカー名、品番を調べて注文するのに手間がかかってしまいます。また、今後もしSAND ITの仕様が異なる新製品が発売される等、ラインアップが拡大した場合、品番の記載がないと調べることがさらに難しくなります」
Q4.裏面に刻印が入っていないバージョンの販売を希望します!
A.「上記理由により、記載しない仕様の商品化は、残念ながら実現が難しいと思われます」
要旨は以上です。
う~ん、見事な正論!納得するしかないっすねこりゃ!!!
特に兄間が衝撃を受けたのは、Q1. 社名、製品名、品番を記載している理由を知りたい!の答えとして書かれていた、
「メーカーと製品名を意識してお求めいただける方には不要かと存じますが、メーカーと製品名を意識せず購入される方も多く、購入時は憶えていても、年月が経つと忘れてしまうこともございます。」
の部分です。
兄間、自分のことしか考えてなかった…!!!
兄間はモノを購入するとき、ブランドやその背景も含めて調べ、納得してから購入することが多いです。また、お気に入りのものはブックマークやノートに記録しておくなど、忘れないような工夫もしています。
今回もキングジムさんに問い合わせるまで「もっと消費者を信頼してくれてもいいのでは?」と強く思っていました。しかし兄間の想定する「消費者」とは自分を含む一部の人たちだけで、まだまだ多くの人が意識せずモノを購入しているという事実に、この時初めて思い至ったのです。
それはキングジムさんの「消費者である『みんな』」に対する配慮の表れでもありました。
同時に先述の無印良品さんの二穴ファイルについて。
それは、誰が見ても「無印良品のモノだ!」と分かる独自のデザインと、それを知っているというみんなの意識の両方がそろって初めて成り立つ稀有な例だったと分かりました。改めて思い知る、「無印良品」というブランドの凄まじさ。すごいよ、無印良品さん!
まとめ
キングジムさんからの返信の最後にあった、
「デザインと利便性をいかに両立させるかを今後の課題としたい」
というお言葉。
この言葉は、同時に我々消費者こそが、もっとモノを購入するときに意識していかなくてはならない、という課題だと感じました。
今回得たのは、生産者側の配慮に任せきりでいると、結局デザイン性を損なうという形で消費者側にも不利益が生じるという実感です。
ARなどで商品を撮影したら瞬時に検索でき、商品名や品番が分かる、といったシステムが開発されれば問題は一挙に解決ですが、実現にはまだ時間がかかりそうです。
そのため、現状私たちができることと言えば、モノを購入する際の意識を変えていき、生産者に信頼される消費者になることくらいでしょうか。
つまり
「洗練されたデザインには、消費者から生産者への信頼だけでなく、生産者から消費者への信頼もまた必要不可欠である」
というのが、一連の思考の結論です。
生産者の方々から、この人になら安心して作ったモノを使ってもらえる。
そう思ってもらえるような消費者でありたいですね。
〇追伸1:商品化の希望
通帳サイズのSAND ITがほしい!
複数冊あってまとめておけると便利、中身が見えないとなお良い、と、SAND ITと相性抜群ではないでしょうか?! あっしまった…! キングジムさんにお問い合わせするときに書いておくの忘れた! またメッセージ送るしかねえな!
もしこれを読んで「通帳サイズSAND ITいいね!」と思った方はどうぞ両社に感想や要望をお伝えください…!
〇追伸2:謝辞とメモ
謝辞
TENTさんも、キングジムさんも、今回メッセージを送ってから1日も経たないうちに返信をしてくださいました。また、クレーマーともとれる細かい部分の指摘に対し、真摯に考えをつづって下さりとても感謝しています。
おかげさまで疑問を解消、納得することができ、各ブランドへの信頼が高まりました! SAND IT、毎日愛用しております!
各ご担当者様、この度は本当にありがとうございました!!
メモ
キングジムさんにお問い合わせする際に発見した「テプラPRO MARK」。
今年の10月に発売予定の正式名称「テプラPRO SR-MK1」。デザインが素晴らしすぎるしカートリッジも使えるということで要チェック。まだ発売されてないのにアプリをインストールしちゃう前のめり具合です。
色はアイボリーとカーキの2種とのことで、卓上文具はモノトーンで揃えたい兄間としてはホワイトかブラックがでるまで待ちの姿勢の予定。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?