シロクマが北極で生きていけてる理由
■動物はいろんな寒さ対策をする
北極圏などの寒い地域はー40度ほどになることもある極寒の地。
そんな環境で暮らす動物たちは様々な方法で寒さに適応しています。
・脂肪を蓄えたり
・みんなで固まって暖をとったり
・毛皮を厚くしたり
・体を大きく丸くして、体温が下がりにくくしたり
今回は、その中でも変わった毛で寒さ対策をしているシロクマを紹介します。
■シロクマのへんな毛
シロクマは脂肪と毛で寒さをしのいでいます。
体脂肪率50%のひまん体型、そしてまっしろな毛皮。
脂肪と毛という方法までは、他の動物と同じです。
でも!
その毛の構造がとても珍しいんです。
まっしろに見えるシロクマの毛は「透明」でストローみたいに中が空洞になってるんです。
白くみえるのは空洞で太陽光が乱反射するから。
かき氷が白く見えるのと同じ原因です。
■寒さ予防になる理由
シロクマの毛はストローみたいに空洞です。
その毛の中に空気を抱え込み、保温性を高めています。
ダウンが綿の間に空気を入れて温かさを保っているみたいに、です。
▪️浮き輪にも
空洞になっていて、水は入ってこないので浮き輪代わりにもなります。脂肪があるのも合わさって、シロクマは、ぷかぷか浮くことができ泳ぐのが得意です
▪️ウェットスーツに
この空気を入れるという構造はウェットスーツにも応用されています。
暖かくて、浮き輪にもなるシロクマの毛はまさに、ウェットスーツにうってつけというわけです。
■空洞の毛の問題点
空気をためて、あたたかくもなるし、浮力までくれる多彩なシロクマの毛。
ただ、おいしくて簡単に調理できる焼きそばUFOがとてつもないカロリーを秘めていたり、かわいくて気も利く彼女が家で変な植物を育てていたりするように、シロクマの毛もいいことばかりではありません。問題もあります。
それは毛の空洞に藻が生えること。
湿気もあり、太陽光があるので藻にとって、これとないベストな生え場所。冬の生え変わりまでは、みどり色です。
夏場、苔を取るために漂白剤を使う動物園もあるみたいです。
■シロクマのその他の寒さ対策
脂肪と空洞になっている毛によって、あたたかさを維持しているシロクマ。それだけでは足りないのか、もうひとつ寒さ対策をしています。
それは皮膚を黒くすること。
皮膚を黒くすることによって太陽光の熱をできるだけ吸収するためです。
嫌気がさす夏のアスファルトと同じ原理です。
毛は透明で、
藻が生えて緑に、
そして皮膚は黒い…
もうシロクマって呼べなくなりそう。
■まとめ
今回はかわった毛で寒さに適応してきたシロクマについて、とりあげました。
毛がストローのように空洞。空洞のなかの空気が断熱材としてはたらきます。
このしくみはいろんな製品に応用されています。ウェットスーツや二重窓、寒さ対策には最適です。
シロクマの空洞の毛もそうですが、動物たちの体や行動に学ぶことはとても多いです。
それを考えながら動物を観るとまた違ったおもしろさがあると思います。
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