アイスコーヒーは一気飲みしたけれど

席を早く立たせたいのかやたらうるさいなと思っていた店内の音楽が不意に固まりになって耳にすべりこんでくる　

これは知ってる音　ベンフォールズファイブだ　なつかしいピアノをたたく響き　さっきまで何となくいじけていた気持ちがやわらかくほどけたのが自分でも分かる　　

たしかまだカセットテープだった記憶　

高校生の時初めてつきあったひとつ上の人とはなんだかしっくりこなくてすぐに別れてしまったのだけど　それからもなんとなく色々ともらって　ダビングしたベンフォールズのカセットもそのひとつ　中学から使っていた古くさいコンポでよく聴いた　

携帯はまだ持っていなくて　感想は直接しゃべったんだったかな　ばったり会った図書館だったかな

幼すぎてださくて自信ありすぎてなさすぎて　そんな自分がごちゃっと思い出されて

ゆるゆるなんだかほどけたのです　そんな日　

語るほどではないものが記せてうれしい　ナターシャちゃんの淡い恋バナも所望よ

ダビングって脳裏に久々出てきて言葉合ってたかしら、と調べてしまった　カルエ