気づいてほしかった

写真の額に入った植物画は知り合いの建築家が描いたものです

その方が我が家にやってきた数か月前のこと　彼は玄関に１０年以上に渡り飾ってあるこの植物に深い関心を寄せました　

名前も分からぬこの植物　お客様から頂いたものなのですが、出会った当初からひょろりと痩せており、大きくも小さくもない葉っぱが数枚ついている程度　

特徴があるようでない　それがこの植物の第一印象でした

そしてその後も枯れることはないけれど成長するわけでもなく、もはや空気と同じくらい玄関と一体化しておりました　

長いこと誰の眼差しにも留まらず、スル―され続ける存在になっていたのです

しかし今回このこに異常な興味を持った彼は、「面白い面白い」と言って植物の写真を数枚撮り、その場でデッサンして行きました

わたくしからすると彼の方がよっぽど面白い人だなという印象だったのですが、その後驚くべきことが起きたのです

彼が帰って数日後より、かつてない成長を遂げ始めたのです　

葉っぱは濃い緑色になり、成人の顔面くらいの大きさに成長　背丈もわたくしを追い越すほどにににょきにょき伸び始めました　

誰がどうみてもエネルギー満ち溢れ、元気ものになっているのです

今では葉っぱの重みで枝垂れるほどです

そうして最近、その彼が完成したといって上の画を持ってきました　ちゃんと忘れずに形にしてくれていた

それも含めて感銘を受け、現在廊下の壁に飾っておりますが、今度はこの絵を玄関に持って行き植物と対面させてみようと思っております

植物は言葉が分かると言いますが、興味を持ってもらい明らかに喜んでいる姿を目の当たりにしてじぃぃんとしたナターシャです

気づいてほしかったんだねずっと　

ごめんね　ナタコ