遠のく麦わら帽 その2
カルエちゃん
土曜日の夜っていいですね 一週間分の余韻をまとめて味わうみたいな 豊かな感じ
随分前にマスクのせいで、帽子の出番がなかなかないのよーの嘆き節記したことがありましたね それに思わぬ方から一筋の光が射して参りました
それは、体温自動測定器VSナターシャの誰にも知られることのない密やかで地味すぎる戦いの末、導き出された答えの副産物なのでした
こういう時代ですので、お店や施設の入り口等に必ずと言っていいほど設置されているスマホの形状をした体温測定器ありますよね
ピッ ピッ ピッ って軽快に体温を感じとって人を裁いていきます
ですがなぜだかナターシャがその前に立つと あれ?こいつ人間? みたいな反応するのです 明らかに混乱してる様子
近づいても ん? 離れても ん? 体温教えてくれません
世の中の人々が通常発しているであろう人間特有のオーラみたいなものが欠落しているのでしょうか もしくは顔の温度が0度とか
そこでささっとマスクを外すと そこまでするなら仕方ないね と渋々体温表示してくれます
歯医者さんの入り口でも毎回攻防繰り広げます いつもなかなか中に入れません マスクを外したらすかさず「こらこらマスク外さないでね」って赤い光放ちながら怒られましたわよ
どうしたもんでしょう
マスクを外せば人間だと分かってもらえる そうか顔の出てる面積を広げればいいのか
そこでじょきじょき前髪切ってみました
そして再度挑んだ歯医者の日 めっちゃ眉毛出てますよ オデコも出てますよ もう誰がどうみても人間の塊です
どきどきしながら ヤツの前に構えました どうだ!
‥‥ 無反応 駄目でした
そしてマスクを外し、また怒られました
次の一手迷います 逆に眉毛剃ってみるとかね はは
後日 その続きがありまして 短く切った前髪で、麦わら帽をかぶってみた時のこと
あら!これはマスクしててもアリな感じです 重くならず、麦わらの良さも死なずに成立しているのです
でも気付けば世間は9月に突入 夜には秋の虫も大合唱
秋に麦わら ああもう出番はやっぱり来年かしら
季節は遠慮なくどんどん流れてゆきますわね
体温自動測定器に勝った暁には祝杯をあげましょうリモートで ナターシャ