
虫の声と猫の鈴
外は真っ暗 今日も歩いています 15分
そしていつの間にかこのウォーキングはもう一つの目的を要するようになっていました
猫集めです 夜になると涼風がどこからともなく吹いてきて人間にも心底心地よく、そりゃ自ずと猫の帰宅も遅くなります
おーいおーい 声かけしながら、名前を呼びながら歩きます 近くにいるけれど、半分黒い彼は完全に夜に紛れています
田舎の夜は闇 目は全く当てにならないので、耳を極限に澄まして歩きます
あらゆる虫のざわめきが四方盛大です その奥を研ぎ澄まし聴いています 鈴の音です 彼が歩くたびに小さく鈴が鳴る その音をどうにか拾いたい
しかし虫の中には鈴のようになくやからもいますので、一音一音を消していき猫の気配を探ります
と達人のごとき言いようですが、気付いたらすぐ後ろをついて歩いてたりして毎回びっくりします
「にゃんって言ってよーもー」とツッコミながら、残りを歩きます
わたしが歩いている間、黙って待っています
どっちが迎えにいったんだか分からない状態です
いい夜風 半分白い彼の胸毛が外灯に照らされ光っています
「おかえり」 ナターシャ
いいなと思ったら応援しよう!
